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ECB理事会、ユーロの動きは?

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外国為替市場情報|2014/04/03

昨日は注目された明日の雇用統計の前哨戦ともいえるADP雇用統計は市場予想こそ下回ったものの+19.1万人と前月からの改善が顕著に現れ、さらに前回数値の上方修正も重なり、米国の労働市場の悪天候からの下押しからの脱出を示唆する内容となりました。さらにはその後に発表された2月の製造業受注が強い結果となったことも後押しし、リスクオン地合いは強まり、米国債利回りは底堅い推移、株式市場も底堅さを見せる展開となりました。

堅調な米国経済指標に加え、ECB理事会を控え、ユーロが軟調な地合いであったことやそれまで強かった通貨に調整が入ったことなども影響し、ドルは全般的に底堅い推移となっています。
欧州時間に発表されたユーロ圏の生産者物価指数は弱い結果となり、ECBの追加緩和観測を強める結果となりましたが、市場の反応は薄いものとなりました。

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ドル円は底堅い推移を続け昨日のアジア時間には104円に迫るところまで上昇しましたが、イベントを控えた利益確定売りや104円に控えるオプションの防戦売りなど影響を受け上値を抑えられました。調整はNY序盤まで続き、103.60近辺まで押し込まれ、その後に盛り返す動きとなりました。
米国債10年債利回りは底堅い推移を続け、現在2.8%前後での攻防を続けており、ドル円の下支え材料となりそうです。また、昨日、日銀から発表になりました短観の調査に付随する物価見通しでは1年後の物価見通しの平均値が1.5%となり日銀のターゲットである2%を大きく下回っていたことから、日銀の追加緩和観測が若干強まった可能性もあります。

テクニカル面でも日足チャートではダブルボトムのネックラインを超えてきているような形となっていることから105円台をターゲットとした更なる上昇余地が生まれています。とはいっても、本日はECB理事会、ドラギ総裁の会見、米国時間には新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数、明日に米国3月雇用統計を控えていることからイベントの結果に揺さぶられる展開が続きそうなことから、予想が難しい状況となっています。

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ユーロドルはECB理事会を控え上値の重い推移となりました。昨日発表された生産者物価指数でも弱い結果となったことから、ユーロのディスインフレの状況は長引く可能性を示唆していることから、ECBが何らかの追加緩和を打ち出してくる可能性が高まっています。現在の市場予想の中心は追加緩和なしとなっていますが、追加緩和を予想する声も多く、追加緩和なしの場合、ユーロ売りのポジションが締め出され、再上昇というシナリオも考えられます。
仮に利下げを行ってきたとしても一時的に下げるものの、材料出尽くしから底堅さを見せるというシナリオも十分に考えられます。ドラギ総裁の会見にてユーロ高に対するプレッシャーをかけてくる可能性も考えられますが、最近は口先介入に対する市場の免疫も強くなっていることから効果の持続性には疑問が残ります。

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絶好調モードのユーロ円は3月7日の高値143.8を上抜けることが出来ずに失速、調整が入る形となりました。再度3月7日の高値に挑むのか、それとも抜けてきたレンジ140.50-142.00へ戻ってしまうのかをしっかりと見極めたいところです。本日はECB理事会、ドラギ総裁の会見、更に明日は雇用統計が続き、上下に揺さぶられる展開となることが想定されますが、落ち着いたときにどの水準となっているのかをしっかりと見極める必要があると思われます。

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好調な推移を続けていたポンドドルも調整が入る展開となりました。昨日発表された建設業PMIは高水準はキープしたものの市場予想には届かず、ポンドの下押し材料となりました。
現在の1.66-1.67のレンジでは3月初旬にもみ合いを展開したと水準であることから、このレンジをどちらに抜けるかをしっかりと見極めたいところです。
本日は3月のサービス業PMIが予定されており、市場予想を上回るようでしたら、レンジ上抜けの突破口になると考えられます。

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豪ドルは昨日発表の住宅建設許可件数、さらには本日の小売売上、中国の非製造業PMIが弱含んだことから、軟調な推移となっています。3月末からのサポートである0.9215近辺を一瞬下抜け戻す動きとなっていますが、この水準を下抜け節目の0.92を割り込む動きとなると直近で買いが溜まっていることから、下落が加速する可能性が高いと思われます。
また、RBAスティーブンス総裁のコメント機会もあることから豪ドル高に対する牽制発言にも注意が必要です。

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【本日の注目材料】
本日はアジア時間に中国の政府発表の非製造業PMI、サービス業PMIの発表が予定されています。製造業ほどのインパクトはないと考えられますが、豪ドルを中心にインパクトがあるかもしれません。また、その後にスティーブンス総裁のコメント機会があることから豪ドル高に関しての何らかの牽制発言が飛び出すと豪ドル売りの材料となる可能性があります。
欧州時間はユーロ圏各国のサービス業PMI、ユーロ圏の2月の小売売上の発表などが予定されていますが、最大の注目はその後のECBの政策金利の発表、ドラギ総裁の会見に集まると思われます。市場予想の中心は追加緩和なしとなっていますが、0.1%への利下げ、またはSMPの不胎化停止等のカードを切ってくる可能性もあり、またドラギ総裁の会見がユーロ高を激しく牽制する内容となる可能性が考えられます。とはいえ、ECBには持てるカードが限られていることから、材料出尽くしとなり売り一巡後は反発するというシナリオが十分に考えられると思われます。最近の要人からのユーロ高牽制発言に対しての反応が鈍いことも考えると、何らかの目新しい武器が出てこない限り、ドラギ総裁の脅しに対しても相場の反応は冷ややかになる可能性が高いと筆者は考えます。
逆に、追加緩和なし、ドラギ総裁の会見でもユーロ高を強く牽制しないような内容となると昨年からよく見られるユーロショートポジションが絞り出される展開となり、一気に上昇圧力が高まるリスクもあると考えられます。

いずれにせよ、フタを開けてみなければわからないため、ポジション調整などのしっかりとしたリスク管理が必要と思われます。
米国時間には新規失業保険申請件数に加えISM非製造業景況指数の発表が予定されています。製造業に続き強い結果となると昨日のADPと併せ米国経済の雪解けを示唆するものとなり、ドル高圧力を更に強める動きとなると考えられます。また、明日の雇用統計を占う上でも内訳の雇用指数にも注目したいところです。

【本日の予定】
08:50 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
09:30 豪2月小売売上高、貿易収支
10:00 中国3月非製造業PMI
10:45 中国3月HSBCサービスPMI
11:00 スティーブンスRBA総裁コメント機会
12:45 日10年物価連動国債入札(4000億円)
16:55 独3月サービス業PMI(確報値)
17:00 ユーロ圏3月総合・サービス業PMI(確報値)
17:30 英3月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏2月小売売上高
20:30 米3月チャレンジャー人員削減予定数
20:45 欧州中央銀行(ECB)理事会、政策金利発表
21:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 米2月貿易収支
21:30 加2月貿易収支
23:00 米3月ISM非製造業景況指数
23:00 ドラギECB総裁スピーチ

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト