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ドル/円、124円台突破は“ミセス・ワタナベ”トレードが要因?

【著者】

為替市場は、まさにドル独り勝ちといった様相。
27日NY時間、ドル/円相場約8年ぶりの水準である124円台を付け、年初来高値を更新。
昨年の12月以来、同相場は概ね日足・21日標準偏差の±2σライン内のゾーンで推移し、典型的な三角保ち合い(上昇三角形型)を構成していたものの、上値抵抗ラインと目されていた122円ラインを何の躊躇もなく突破したことに驚かれた方も多いはず。
かく言う筆者も、社内の顧客向けレポートでは、遅かれ早かれ上値抵抗ライン突破はあるものの、“抵抗勢力”もあり、目先は押し目を狙う戦術の紹介をしていたほど。

この“抵抗勢力”を軽く蹴散らした要因はどこにあるのでしょうか?
ここには本邦FX個人投資家、いわゆる“ミセス・ワタナベ”の存在を考慮する必要があります。

先週の有力経済紙に記載された、『「異例の50億ドル」 ミセス・ワタナベ、121円台で巨額の売り』という記事を目にした方も多いかもしれません。
一般的に、FX(外国為替証拠金取引)における個人投資家のスタンスは、「外貨を買って、円を売る」という、いわゆる“円キャリートレード”が主流と言われていた中、米経済に不透明感を持つ“ミセス・ワタナベ”の目には121円台は絶好の売りチャンスと映り、大量の逆張り注文(=レートが上昇したらドル/円を新規で売るという注文のこと)があったとのこと。(FX4社計で50億ドル規模とも。)

ドル高・円安トレンド、いわゆるアベノミクス相場が始まった2012年11月下旬以来これだけ売り越しになったことは例がなく、このあたりの相場観は先月BSフジの番組内で「購買力平価からすると(ドル/円相場)120円はかなり円安」とコメントした浜田内閣参与発言も少なからず影響している可能性も。

ご存知の通り、浜田氏はマクロ経済学の権威とも言える方で、アベノミクスの理論的支柱であり産みの親とも言える方ですが、専門のマクロ経済学とは畑違いの具体的レートを期待する方が酷(そもそも専門外)で、また購買力平価から為替レートの高安を判断することは全くもって意味をなさないことは、為替の専門家の中では今や不文律とも言われています。

そのような中、米コアCPIの好結果や22日のイエレンFRB議長の年内利上げ発言もあり、押し上げられたドル/円相場にいち早く退散した“ミセス・ワタナベ”の「踏み」(=売り方が相場上昇の評価損もあり、損失覚悟の買い戻しを行うこと)による上昇、つまり「踏み上げ」が大量に巻き起こったことが124円台示現の一要因と考えますが、いかがでしょう?

本日東京時間に、第一次安倍政権時に示現した2007年6月の124.14円レベルを突破し、2002年12月以来12年半ぶりのドル高・円安水準を記録。
相場格言通り、『買い難い相場は高い』を地で行く相場こそ、まさに今のドル/円相場
三角保ち合い(上昇三角形型)上抜け(=保ち合い放れ)し、“空中浮遊相場”を続ける昨今、打診買いで臨むのが目先の得策かも知れません。

ドル円

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マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント|比嘉 洋様 ご寄稿記事

津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。