米FOMC、中立水準接近を示唆したものの、全般にタカ派的!?

【相場材料】米金融政策
【評価】政策金利の中立水準接近を示唆したものの、全般にタカ派的内容
【ポイント1FOMCは年内残り1回、19年3回、20年1回の利上げを想定
【ポイント2米ドル円は軟化したものの、米ドル実効レートは結局変わらず

26日の米FOMCでは0.25%の利上げが決定されました。利上げは今年3回目、15年12月に利上げを開始してから8回目で、政策金利は2.00-2.25になりました。

声明文は前回とほぼ同じ。景気の堅調や2%目標近辺での物価の推移を指摘しました。唯一の変化は「(利上げ後も)金融政策は引き続き緩和的だ」との一節が削除されたことです。これは、政策金利は景気を刺激も抑制もしない中立水準に接近しているとのFOMC内の共通認識を示すものと言えそうです。
もっとも、今回の結果は全般に引き続き(利上げに積極的な)タカ派的でした。

「ドット・プロット」はFOMC参加者個々の政策金利見通しを示しますが、その中央値に基づけば、年内残り1回、19年中に3回、20年中に1回の利上げが想定されています。これは前回と同じです。

ただし、19年中に4回以上の利上げを想定している参加者が4人から5人に増えました。クラリダ副議長が承認されて新たに加わったため、参加者が15人から16人に増えたことが一因ですが、いずれにせよFOMC内のタカ派が1人増えた形です。

FOMC参加者が想定する「長期的な政策金利」を「中立水準」とみなすことができます。今回示された中立水準は、レンジが2.5-3.5%(6月時点では2.3-3.5%)、中心レンジが2.8-3.0%(同2.8-3.0%)、中央値が3.0%(同2.9%)です。

したがって、あと3回の利上げで政策金利は中立水準に到達する計算です。そのため、早ければ来年前半中にも、「利上げ打ち止め」との観測が浮上するかもしれません。ただし、今のところは緩やかな利上げ継続が基本シナリオでしょう。

FOMCの結果を受けて、米ドル円は軟化しました。ただし、これは過去3週間に円が主要通貨に対してほぼ全面安だった反動が、FOMCをきっかけに出たとみるべきでしょう。米ドル実効レートはFOMCの結果判明直後に乱高下したものの、その後はFOMC前の水準を回復しています。今回のFOMCは米ドル安材料ではないことの表れでしょう。

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西田 明弘 マネースクエア 市場調査部 チーフエコノミスト

西田明弘

1984年、日興リサーチセンターに入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテジストを歴任。 2012年9月、マネースクエア入社。市場調査部チーフアナリストに就任。現在、M2JのWEBサイトで「市場調査部レポート」、「スポットコメント」、「今月の特集」など多数のレポートを配信。