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2人のノーベル経済学賞受賞者は“消費増税NO”、さて安倍首相の判断は?

【著者】

昨日のベルギーでのテロ事件には驚かされましたが、先のパリ同様、その影響は限定的なものにとどまりました。証券取引所が機能しないという事態にならない限り、大きく相場が崩れないということかもしれません。

今回のテロで、英国のEU離脱の国民投票にも影響が及びそうです。ヒトの移動が自由であれば、難民の流入→テロリストも紛れ込みやすく、国民に危険が及ぶ→EU離脱という構図です。もちろん、経済的な面から考えると、EU離脱は英国にとってマイナス。英国の代表的な企業団体、英産業連盟(CBI)の調査によると、英国がEUから離脱した場合、2020年までに1000億ポンド(1450億ドル、約16兆円)の経済損失が発生し、95万人の雇用が失われる、との試算が弾き出されています。

今後、6月23日までこの国民投票の行方を巡り、ポンド・ユーロは大きく振らされる(下落する)場面がやってきそうです。
また、難民問題にスポットライトが当たれば、トルコ経済に対する懸念も再浮上、今回のテロ事件、根深い問題となりそうです。

「消費増税先送り」待ったなし?!

さて、先週から「国際金融経済分析会合」が行われ、スティーグリッツ・クルーグマンという2人のノーベル経済学賞受賞者が「消費増税」にNOを突きつけました。国際金融経済分析会合の建前は5月の伊勢・志摩サミット前に世界情勢の意見交換を有識者と行うものとなっていますが、安倍首相としてはノーベル経済学賞受賞者の提言を後ろ盾に「消費増税延期」の切り札をいずれ切るための材料にしたいというのが本音ではないでしょうか?

先週のFOMC後、世界的な株高が進む中、日経平均だけは取り残された格好となっています。その日経平均上昇のための特効薬は「消費増税延期(先送り)」に勝るものはないと考えます。その前段階として企業側に自社株買いの進軍ラッパを鳴らして株価動向を見極める、今はそんな段階なのかもしれません。

<資料>日経平均(日足)25日移動平均線±5%の推移
日経平均出所:Bloomberg

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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!