【NY市場】欧州通貨高・ドル安 ドル円は113円台前半に下落も底堅い

きょうのNY為替市場は、ここ数日とは逆に欧州通貨の買い戻しが優勢で、相対的にドル売りが優勢となった。ドル円も上値を重くしてる。特にメイ英首相の保守党党首としての不信任投票を巡っての動きが欧州通貨の買い戻しをフォローしている。

ドル円は一時113.15円付近まで下落したが113円台は堅持。きょうはトランプ大統領の発言を受けて米中貿易協議に関し楽観的な見方が強まり米株が反発した。トランプ大統領は、中国が米国から大量の大豆を購入し始めたことを明らかにしたほか、自動車については、中国が近く米輸入車への関税を40%から15%に引き下げるとの見方も示した。

そのほか、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国が外国企業に対する市場開放を拡大する方向で取り組んでおり、これは「中国製造2025」の計画変更を示しているとも伝えていた。

この動きに人民元がオフショア市場で上昇したこともドル円を圧迫したとの指摘も聞かれた。ただ、ドル円は21日線は維持され底堅さは堅持。一方で、上値が重い状況にも変化はない。

この日は米消費者物価指数(CPI)が発表になったが、コア指数で前年比2.2%と前回よりは高い水準ではあったが、2%付近から上振れる気配まではない。CPIは、FRBが政策目標として参照しているPCEデフレータよりは若干高めに出る傾向があるが、インフレは概ね、FRBの目標である2%付近での推移といったところ。来週の利上げには影響はなさそうだ。

ユーロは買いが強まり、ユーロドルは1.1385ドル近辺、ユーロ円は128.80円近辺まで一時上昇。きょうは2つの買い材料が出ていた。イタリアの予算案を巡ってイタリアのコンテ首相と欧州委員会のユンケル委員長が会談を行っていたが、コンテ首相はEUに対して2019年の財政赤字目標を2.04%を提案したと伝わっている。EU側は1.95%を要望しているが、当初の2.4%よりはイタリアもだいぶ譲歩しており、歩み寄れそうな気配だ。

また、ドイツ政府がドイツ銀行とコメルツ銀の合併による再建計画を強化すると報じられていた。合併を加速させるため減税も視野に入れているという。両行の株価も上昇し、ユーロもポジティブに反応。

ユーロドルはきょうの上げで、1.1360ドル付近に来ている21日線水準を回復しており、1.14ドル台を再度試しに行くか注目される。

ポンドは買い戻しが強まり、ポンドドルは1.26ドル台半ば、ポンド円は143円台を回復した。きのう、与党・保守党内で離脱強硬を主張するユーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)から1922年委員会に対し、メイ首相の党首としての不信任投票を促す書簡が提出された。これを受け同委員会のブレイディ委員長が突如、きょう不信任投票を実施することを発表。メイ首相が有利との情勢が伝わっていたが、NY時間の終盤に200対117でメイ首相が勝利したことが伝わった。
ただ、勝利が伝わった直後はポンド売りの反応を見せている。事前にメイ首相の優勢が伝わっていたこともあり、材料出尽くし感が出たようだ。また、117名の不信任が出ており、これが議会で反対票に回った場合、離脱協定は承認されない可能性が濃厚。

なお、メイ英首相は保守党議員に対して、次の総選挙には党首としては臨まない意向を示したとも伝わっていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

minkabuPRESS編集部所属