【NY市場】FOMC受けドル買い強まる 2回の利上げ見通しに失望感

 きょうのNY為替市場は後半になってドル買いが強まり、ドル円は112.60円近辺まで買い戻されている。午後に公表されたFOMCを受けてドル買いが強まった格好。大方の予想通りに利上げを実施して来たが、これについては既に織り込み済み。注目はFOMCメンバーの来年の金利見通しだったが、2回の利上げが予想の中央値となっている。9月時点の3回からは下方修正したが、市場は1回を見込んでいたことから、やや失望感が出ているようだ。

 経済見通しは成長、インフレとも下方修正して来ている。声明では、「更なる漸進的利上げが適切。リスクは概ね均衡」との文言を踏襲した一方で、世界情勢を注視する姿勢を強調。

 パウエルFRB議長の会見でも力強い経済を強調しており、先行きに対し、意外に楽観的に見ている様子もうかがえた。

 ドル円はハト派なFOMCへの期待から、前半はドル売りが優勢となり112.10円付近まで下落していた。ただ、FOMCを受け米株が失速したことからドル高・円高で売買交錯となったものの、次第にドル買いが優勢なり112.60円近辺まで戻している。一応、100日線は維持された格好となった。

 一方、ユーロドルはイタリアとEUが予算案で合意したこともあり、序盤に一時1.1440ドル近辺まで上昇していた。しかし、FOMCを受けて1.13ドル台に下落している。

 イタリアは2019年の歳出を約40億ユーロ圧縮し、財政赤字目標を当初のGDP比2.4%から2.04%に引き下げた。これを受けイタリア債も買い戻しを加速させ、懸念材料となっていた問題が一つ解決したことで、序盤はユーロ買いを後押ししていた。ユーロドルは21日線を上放れる展開も見られていたが、結局のその付近に戻した。

 ポンドは依然として上値が重い。英EU離脱交渉への警戒感が依然としてポンドの上値に蓋をかぶせている。1月14日に英議会での投票が予定されているが、それまではポンドを積極的に買う動きは限定的なのかもしれない。

 きょうは英消費者物価指数(CPI)が発表になっていた。エネルギー価格下落の影響で、総合指数のほか、コア指数も前年比で伸びが鈍化しているものの、英中銀のインフレ目標付近で推移しており、追加利上げを正当化す内容ではある。

 しかし、英EU離脱への不透明感が高まっており、合意なき離脱の可能性も取り沙汰される中で、短期的には英中銀は利上げを実施して来ないものと思われる。明日は英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されているが、英EU離脱交渉に絡めて、利上げには慎重姿勢を滲ませてくるものと思われる。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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