【NY市場】要人発言で上下動 ドル円は109円台でのスイングが続く

 きょうのNY為替市場は要人発言に振らされる展開となった。ドラギECB総裁、ロス米商務長官、そして、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言に敏感に反応。

 きょうはECB理事会が行われたが、予想通りに政策は据え置かれた。注目はドラギ総裁の会見だったが、「景気見通しに対するリスクは下向きに移動した」と言及。先日の議会での発言から景気認識の下方修正は、ある程度予想はされていた。一方で、「ユーロ圏の景気後退は公算が大きいとはみていない」とも語っている。今回の会見でもう一つの注目点だった長期リファイナンスオペ(TLTRO)については、数人の委員から言及はあったものの、決定は下さなかったとしている。

 今回の印象としては、「下振れ警戒感を示したものの、対応を急いでいる雰囲気まではない」といった見方が多いようだ。

 一方、ドラギ会見と同時刻に、ロス米商務長官の発言が伝わり、「米中は貿易問題の解決から何マイルも離れている」と述べていた。ドラギ会見でユーロ売りが強まり、ロス発言で今度はドル売りが強まった。為替市場は短時間に、めまぐるしい動きが見られた。

 その後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言で、再びドル買いが強まった。委員長は「1月の雇用統計はかなり上昇する可能性がある」と述べ、「トランプ大統領は米中協議に楽観的」とも語った。

 なお、米政府機関閉鎖が続いているが、米上院は、壁建設の予算を盛り込んだトランプ案と、壁建設予算なしの民主党案を採決に持ち込むための動議を2つとも否決された。情勢は依然として混沌とした状態が続いている。

 ドル円は109円台後半でNY時間に入って来たが、ロス発言で109.40円付近まで下落。その後、クドロー発言で109円台後半に戻す展開。110円は強い上値抵抗となっているものの、109円台は維持されており、109円台でのスイングが続いている。

 ユーロドルはドラギ発言で売りが強まったものの、ロス発言で直ぐに買い戻しを強めた。1.13ドル台後半まで上昇したが、クドロー発言で一気に売りが強まった。ドイツのハンデルスブラット紙が、ドイツ政府が今年の成長見通しを1%に下方修正すると伝えたことも手伝って、一時1.13ドルを割り込む場面も見られた。

 そのような中、きょうはポンドも利益確定売りが強まり、ポンドドルは1.30ドル台前半に一時下落。ただ、1.30ドル台は維持され、終盤には1.30ドル台半ばまで買戻される展開。
 
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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