【NY市場】ドル円は21日線手前まで戻す バイトマン発言きっかけにユーロ下落

 きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが優勢となった。序盤はドル売りが優勢だったものの、米株式市場でダウ平均は下落しているものの、ナスダックは大幅高となっており、全体的には底堅く推移していたこともあり、ドルは買い戻された模様。バイトマン独連銀総裁の発言を受けてユーロに売りが強まったこともドルの買い戻しを誘ったようだ。

 ただ、きのうのFOMCは予想以上にハト派だった印象で、声明から漸進的利上げの文言が削除され、パウエルFRB議長は「利上げの論拠が幾らか弱まった」と述べていた。「辛抱強い」スタンスにも言及。注目のバランスシートに関しては、具体的な時期などには言及しなかったが、縮小を一旦停止する可能性を示している。市場では、年内の利上げ期待が後退しており、逆に2020年の利下げの可能性を織り込み始めている状況。

 きょうは米中貿易協議が注目イベントとなった。株式市場の終了間際に声明が発表され、合意はなかったものの進展はあったことを明らかにしている。トランプ大統領は「中国の習主席と会う時には全てが合意されていると考える」と述べていた。

 ドル円は一時108.50円近辺まで下落したが、108.90円近辺まで戻す展開。ここ数日、109円台での上下動が続いていたが、FOMCをきっかけに21日線をブレイクし、下向きのトレンドが再び示現しつつある。ただ、108.50円付近は強いサポートとなっていた模様。一方、21日線が108.95円付近に来ており、上値抵抗となっていたようだ。

 ユーロはバイトマン独連銀総裁の発言がきっかけとなり、戻り売りが強まった。ユーロドルは1.14ドル台半ばまで伸び悩む展開。100日線を下回る場面も見られた。総裁は「ドイツ経済には下振れリスクが広がっており、2019年は潜在成長以下に落ち込む可能性がある」との見方を示していた。

 ユーロドルはロンドン時間に一時1.15ドル台に上昇していたが、この日発表になったユーロ圏の指標が弱い内容だったこともあり、水準を維持できていない。きょうは10-12月期のユーロ圏GDP速報値が発表されている。前期比0.2%と予想通りではあったものの低成長が続いている。また、イタリアは前期比マイナス0.2%と2四半期連続のマイナス成長となり、テクニカル的なリセッション入りとなった。

 市場からは、先週のECB理事会では協議しなかったとしていたが、ECBは長期リファイナンスオペ(TLTRO)の延長を検討する可能性があるとの指摘も聞かれる。また、金利に対するガイダンスに関しては、利上げを今年実施するのか、来年以降に延期するのかを、6月か7月まで修正の判断を持ち越す可能性もありそうだ。

 ポンドドルは序盤は買いが強まり、1.3160ドル近辺まで上昇。しかし、午後になってユーロと伴に戻り売りが強まり、本日安値圏に値を落とした。英EU離脱協議の行方は合意の再交渉をEUが拒否しており、混沌としている状況。

 今週のポンドは戻り売りを強めているが、市場からは今回の下げは短期で終了するとの見方も出ている。離脱協議に関しては、何らかの解決策を見出す可能性があり、数週間のうちにポンドは切り返すと楽観的な見方も出ているようだ。 

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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