【NY市場】ドル円は110円手前での振幅 一般教書演説は限定的な反応に留まる可能性も留意

 きょうもNY為替市場はドル買いが続く中、ドル円は110円手前での振幅が続いた。きのうに引き続き一時110円台に上昇する場面も見られたが、110円台にはなお慎重なようだ。

 先週の強い米雇用統計やISM指数の発表以降、ドル買いが復活している。米株式市場も底堅い展開が続く中でドル円は買い戻しが続いている状況。もう一段の上値を目指すか注目される展開となっているが、FRBがハト派スタンスに変更した中では、110円台はプレッシャーが強いと見られている。

 先週の指標は力強い内容だったが、FRBもスタンスを変えたばかりで、積極的な利上げスタンスに直ぐに戻るのはハードルが高いとの指摘も聞かれる。ドル円のここからの上値は簡単ではなさそうだ。

 きょうの現時時間夕方(日本時間午前)にトランプ大統領の一般教書演説が予定。力強い経済を強調するほか、政府機関閉鎖にまで事態が悪化したメキシコ国境の壁建設への理解を求めるものと見られる。特に非常事態宣言を発動しても壁建設を推し進める姿勢に触れるか注目される。米中貿易問題や北朝鮮問題への言及も想定されるが、進展が見られていると述べるものと思われる。

 特に目新しい材料はないものと見られ、限定的な反応に留まる可能性も留意される。

 ユーロドル戻り売りが続いており、1.14ドル割れを試す動き。市場ではユーロ圏の景気減速へ懸念が広がっており、ECBの年内利上げ期待も後退している。FRBがハト派に転じているものの、それが米経済を支えるのではとの期待もある中で、ドルとユーロの格差に市場は再び注目している模様。この日は12月のユーロ圏小売売上高が発表されていたが、前月比1.6%減と3ヵ月ぶりの減少となった。景気減速へ懸念を正当化する内容。

 きょうの下げで、本日1.1435ドル付近に来ている21日線を下回っているほか、フィボナッチ38.2%戻しの水準も下回る展開。1.14ドルちょうど付近に50%戻しの水準が来ているほか、61.8%戻しが1.1375ドル付近に来ており、下値メドとして意識される。

 ポンド売りが優勢となる中、ポンド円も下値模索となり、一時142円ちょうど付近まで下落した。木曜日に英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されている。今回は四半期インフレ報告も公表され重要なMPCとなる。市場では、英EU離脱協議が不透明さを増す中で、政策の据え置きが確実視されている。

 一方で、このところの英指標は弱い内容が相次いでいることから、英中銀は警戒感を強めているトーンを強調してくる可能性もありそうだ。その場合、今年上期の利上げ期待は大きく後退することが予想されるが、賃金上昇は力強いことから状況次第では、下半期の利上げの可能性を完全に排除することはない可能性も考えられる。

 メイ首相はきょう、北アイルランドを訪問しており理解を求めていた。また、7日木曜日にブリュッセルで、欧州委員会のユンケル委員長と会談する予定にもなっている。ただ、EU側は再交渉には応じられない姿勢を示しており、中身のある会談になるかは未知数。EU側からも、合意無き離脱になるリスクも指摘される中で市場は、ポンドロングを調整する動きが出ているのかもしれない。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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