【NY市場】一般教書演説は無難な通過 ドル円は再び110円台を試すも慎重さ変わらず

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。特に材料はなかったが、ユーロ売りが続いておりドルを底堅くしていたようだ。きょうは東京時間にトランプ大統領の一般教書演説が行われていたが、メキシコ国境の壁建設や米中貿易問題に関して言及していたが、特に目新しい内容もなく無難な通過となった。

 ムニューシン米財務長官が、4日にホワイトハウスで開かれたパウエルFRB議長とトランプ大統領の夕食会について発言していたが、トランプ大統領は「非常に熱心だった」と述べていた。話し合いは多くの議題に渡ったようだが、パウエル議長のコメントは既に公に述べている内容と一致していたと語っていた。

 ドル円は再び110円台を試す動きが出ている。午後に公表された米10年債入札が不調だったことから、米国債利回りが序盤の下げを取り戻しており、ドル円も呼応した格好。ただ、110円手前で抑えられている。

 東京時間にも110円台に上昇していたが、維持できずに直ぐに戻り売りに押されていた。ここ数日、110円台には乗せるものの滞在時間は短い。FRBが姿勢をハト派に転換しており、利上げサイクルの停止や、バランスシート縮小の変更などが言われる中、ドル円の上値を積極的に試す雰囲気にはまだなれないようだ。

 ドル円を110円台に押し上げる要素としては株高による円安が有力だが、きょうの米株は上げが一服していた。

 ユーロドルは戻り売りに押され、一時1.1360ドル近辺まで値を落とした。ユーロ自体の上値が重く、ユーロドルは軟調な動きが続いている。足元の経済指標が弱く市場は、ユーロ圏の景気への先行き懸念を強めている模様。この日のドイツの製造業新規受注も予想外の減少となった。また、イタリア債が下落しており利回りが上昇していることや、ダイムラーが9年ぶりに減配を発表したことも不透明感を強めたようだ。

 また、IMFがイタリア経済のレビューを公表。必要な構造改革が不足しており、2023年にかけて成長率は1%以下に留まるとの予想を示した。先週は10-12月期のGDPが発表になっていたが、2四半期連続のマイナス成長を記録し、テクニカル的なリセッションに陥っている。頼みのドイツ経済も陰りを見せ始めており、ECBの年内の利上げ期待は大きく後退している状況。

 この日の下げで21日線を下放れる動きが見られており、1月24日から1月31日の上昇波のフィボナッチ61.8%戻しの水準に到達している。目先は1.1345ドル付近が下値メドとして意識される。

 ポンドドルは序盤は買い戻しが優勢となった。市場では1.30ドル台でショートを形成した投機筋が、ショートカバーを活発に入れていたとの観測も聞かれた。しかし、後半になると戻り売りに押され失速している。本日の21日線は1.2965ドル付近に来ており、一旦回復していたものの、跳ね返された格好。早期に回復できないようであれば、下向きの流れに戻しそうな気配だ。1.2895ドル付近に100日線が来ており、目先の下値メドとして意識される。

 明日はメイ首相とユンケル欧州委員長との会談が予定されている。きょうはEUのトゥスク大統領の発言が話題となっており、「英EU離脱を撤回できるとの考えは捨て去ったとし、現在の優先事項は合意なき離脱の場合の失策を回避することだ」と述べていた。同大統領はまた、EU離脱をめぐり「計画もなく離脱を推進した人々向けの地獄の特別な場所とは一体どんな所だろう」と、英保守党の強硬派を強く批判した。

 EUは再交渉には応じない姿勢を強調しており、明日の会談は実りあるものにはならなそうな気配だ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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