【NY市場】米中貿易協議への懸念を高める中、ドル円は小動き続く

 きょうのNY為替市場、ドルは堅調な動きを続けていた。前日にトランプ大統領が「関税引き上げ期限前に習主席と会談することはない」と述べていたことで、市場は米中貿易協議への懸念を高めている。トランプ政権からは、合意にはなお楽観的だが、両首脳が完全に合意するまでにはまだ課題が残っているとの発言も伝わっていたが、市場はリスクを高めている模様。

 株式市場はネガティブな反応を示したものの、為替市場ではリスク回避の雰囲気までは強まらず、ドル円は小幅な値動きに留まった。株式市場は敏感に反応したものの調整の範囲で、本格的な下げにはならないと見ているのかもしれない。FRBがハト派に転じる中でドル円の上値は追いづらいが、リスク回避の円買いを強める状況でもなく、更なる情報を待ちたいといった雰囲気だ。

 一方、ユーロは次第に上値が重くなっている印象で、ユーロドルは1.13ドル台前半に下落。ユーロ圏経済への不透明感が強まり、前日は欧州委員会がユーロ圏の成長見通しを大きく下方修正していた。特にイタリアの今年の見通しは1%ポイントも下方修正し0.2%とした。きょうもイタリア債は売りが続き、10年債は3%に再び上昇している。

 ECBの利上げ期待は完全に後退し、ドラギ総裁が退任する10月までの利上げは難しいとの見方も強まっている。逆に先日のECB理事会では協議しなかったとしていたが、貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)を利上げより先に打ち出すと見られているようだ。ECBは次回の理事会で検討する可能性もありそうだ。

 ポンドも売りが続いた。きのうは英中銀金融政策委員会(MPC)を受けてポンド買いが強まっていた。成長見通しは下方修正したものの、利上げの可能性は温存しており、英EU離脱交渉が進展すれば、利上げを検討したい姿勢を堅持している。ただ、FRBもECBも出口戦略を緩める姿勢を示す中で、英中銀が単独で利上げを遂行するほど英経済に強さはないようにも思われる。

 前日はメイ首相とユンケル欧州委員長の会談が行われていたが、予想通りEUは再交渉に応じない姿勢を強調した。きょうはバルニエEU首席交渉官のコメントが伝わっていたが、同様の姿勢を示していた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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