【NY市場】ドル円は110円台半ばに上げ幅拡大 レベルシフトに向け重要な局面に

 きょうのNY為替市場はドル買い・欧州通貨売りが優勢となる中、ドル円は買いが優勢となり110円台半ばまで上げ幅を広げた。全体的に市場のセンチメントが改善している一方で、欧州通貨安からの消去法的なドル買いと米国債利回りの上昇がドル円をサポートした。

 きょうから北京で次官級の米中貿易協議が再開しており、期待感が出ている模様。一部報道で、トランプ大統領のアドバイザーらは、中国の習近平国家主席との首脳会談を3月に「マールアラーゴ」で開催することについて非公式に協議したと伝わっていた。トランプ大統領は関税引き上げの猶予期限である3月1日より前に習主席と会談することを望んでいたが、米朝首脳会談などの予定で実現できなかったとしている。

 ドル円は110.45円付近まで一時上昇。FRBの利上げ期待は後退しているものの、投資家のリスク許容度の改善がドル円を支えている模様。200日線が111.30円付近に来ているが、その水準を目指してレベルシフトがあるのか重要な局面に入っているようだ。

 110円手前でもみ合った後の110円台トライであることから期待値は高いものの、欧州など世界経済の先行き懸念も根強い中、上値にはなお慎重と思われる。明日は東京勢が連休から戻ってくるが、まずは110円台を維持できるか注目される。

 一方、ユーロドルは一時1.1265ドル付近まで下げ幅を拡大し、12月、1月に強いサポートとなっていた水準をブレイクしている。ユーロ圏経済への不透明感からユーロは売りが続いている。市場からは、企業の信頼感が低下し続けており、ユーロ圏の景気減速は鮮明になっているとの声も多く聞かれる。一時的な要因だけではなく、中国への輸出減速でドイツ経済が減速していることが特に不透明感を強めているという。更にイタリアは2四半期連続のマイナス成長となり、テクニカル的なリセッションに陥っている。

 景気減速によるコアインフレの鈍化は予想以上で、年内の利上げは期待しづらいとの指摘も聞かれた。今年の成長やインフレ見通しを下方修正する向きも増えている状況。目先は11月安値の1.1215ドル付近が下値メドとして意識される。

 ポンドも下げ幅を拡大し、対ドルで1.2850ドル近辺まで一時下落。この日発表の10-12月期の英GDP速報値が成長鈍化を示したことでポンドは売りが強まった。きょうの下げでポンドドルは、先週の英中銀金融政策委員会(MPC)時にサポートされた100日線を下回っている。

 市場はEU離脱協議の最新動向を待っている状況だが、英首相報道官のスラック氏は「政府はできるかぎり早く議会での投票を実施したいと思っているが、今週はない」と述べていた。メイ首相は明日、離脱交渉の最新情勢を議会に説明するという。また、EUは依然として離脱合意の再交渉を頑なに拒否しており、バルニエEU首席交渉官は「再交渉は不可能」と述べていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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