【NY市場】ドル円は伸び悩むも底堅さは堅持 2つのリスクに楽観的ムード広がる

 きょうのNY為替市場、ドル円は伸び悩む展開が見られているものの底堅さは堅持している。東京時間に110.65円近辺まで上昇していたが、きょうはドルが戻り売りに押されたことで、ドル円も戻り売りが優勢となった。ただ、東京勢が連休から戻ってヘッジ売りが出ていた割には、前日からの110円台を固める動きが続いており底堅さは堅持している印象だ。

 目先は2つのリスクの動向に注目が集まっている。米中貿易問題と米政府機関閉鎖。米政府機関閉鎖については、きのう米上下両院の交渉担当者が国境警備予算を巡り原則合意した。あとはトランプ大統領のサイン待ちではあるが、壁建設予算は盛り込まれたものの予算規模は13億7500万ドルと大統領が要望していた57億ドルには遠く及ばない。大統領はまだ正式な判断は下していないが、政府機関の閉鎖はないであろうと述べていた。その一方で非常事態宣言の発令には可能性を残している状況。いずれにしろ閉鎖は回避できそうな気配で、リスク選好のムードにつながっている。

 一方、米中貿易問題にも楽観的で、ムニューシン米財務長官とライトハイザーUSTR代表が北京を訪問しており協議は継続している。トランプ大統領はこれについて、習近平国家主席との会談は現時点では3月実現の計画はないとする一方、3月1日の期限延長にはオープンと述べていた。完全な合意には至らないものの、3月1日の期限までに何らかの部分的な合意が出るのではとの期待感も高まっているようだ。

 ユーロドルは買い戻しが強まり1.13ドル台を回復。ショート勢がショートカバーを活発に入れており、12月と1月に強いサポートとなっていた1.12ドル後半の水準がサポートして機能している格好。ただ、ユーロ圏経済の減速傾向が鮮明になる中、ユーロドルに弱気な見方が増えつつある。この日はECBの中ではタカ派なバイトマン独連銀総裁のコメントが伝わっていたが、「想定していたよりも景気の弱さが若干長引いている」と言及していた。市場では年内利上げ期待が大きく後退している一方、ECBによる新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)への期待感が高まっている。

 最後に実施したTLTROは2020年6月以降に償還期限を迎える。ここ数ヵ月は、その償還財源を民間から十分に調達できない銀行に向けた措置というのが、実施する場合の基本スタンスと考えられていた。ただ、現在のユーロ圏の景気減速を考慮すれば、市場からの急速な流動性縮小は好ましくはなく、その意味でも新たなTLTRO実施への期待は高い。しかし、最近のECB幹部の発言は、具体化には時間が必要だということを示唆しており、次回の3月理事会よりも、6月のほうが可能性が高いとの見方も聞かれる。

 ポンドドルも買い戻しの動きが優勢。ただ、EU離脱交渉への不透明感は依然として払拭できずにいる。きょうはメイ首相が議会に対して離脱交渉の最新情報を提供したが、EUとの交渉は進んでおらず、時間が必要と言及していた。このような状況下でメイ首相は英議会の投票を先延ばしにしており今週は実施する予定はないとしている。これに対して野党労働党は投票を強制させる法案を提出するとの意向を示している。もし、投票がない場合は、2月27日までに投票を確実に行う法案。EU側は依然として再交渉には応じない姿勢を示しており、事態は依然として混沌としている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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