【NY市場】ドル売り優勢 人民元上昇がドル圧迫 ポンド買い目立つ

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。米国債利回りも低下する中、ドル円戻り売りが優勢となり、110.50円近辺に値を落とす場面も見られた。東京時間には黒田日銀総裁の国会での発言もあって、ドル円は110円台後半まで上昇していたが、111円台を試すことなく伸び悩む展開。ただ、下押す動きも見られず水準は保っている。

 今週は引き続き米中貿易協議がワシントンで開催され、木曜日には再び閣僚級協議が行われる予定。米中両国からは楽観的な発言も伝わっているが、具体的な中身はほとんど見えていない。市場もそろそろ具体的な中身を待ちたい姿勢にシフトしているのかもしれない。

 明日はFOMC議事録が予定。年内の利上げ停止やバランスシート縮小の早期終了などが、FRBに対する市場の焦点となっている。特にきょうもメスター・クリーブランド連銀総裁の発言なども伝わっていたが、バランスシート縮小の早期終了に関して何らかのヒントが示されるか注目される。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、適切な時期を精査中だと述べていた。FOMC議事録の内容次第ではドル売りの反応も警戒され、きょうは調整の動きが出ていたのかもしれない。

 また、一部報道で米中貿易協議で米側から人民元を安定させるよう中国側に要請したと伝わっている。この報道を受けて人民元が対ドルで上昇しており、ドル売りをさらに加速させている。

 ユーロドルは1.13ドル台を回復し、一時1.1360ドル付近まで上昇。ただ、ユーロ圏経済への懸念が根強く、この日のイタリアの12月の鉱工業受注は前月比で4ヵ月連続で下落し予想も下回った。イタリア国債は売りが優勢となり利回りは上昇。ドイツ国債との利回り格差は拡大している。ECBのクーレ専務理事は先週、新たな貸し出し条件付長期資金供給オペ(TLTRO)の実施を討議していることを明らかにしている。市場では3月の理事会で何らかのアナウンスが出るのではとの期待も高まっているようだ。そして、正式な発表は6月より前になるとも見られているが、4月との見方も有力となっている。21日線が1.1365ドル付近に来ており上値メドとして意識。

 ポンドの上昇が目立っている。ポンドドルは1.3075ドル付近まで一時上昇し、一気に200日線を回復。投機筋の買いが活発に入っている模様で、それにマクロ系ファンドの買いが追随していたという。

 明日はメイ首相とユンケル欧州委員長の2回目の会談がブリュッセルで予定されているが、市場の一部には楽観的な見方も出ているようだ。アイルランドのバックストップ案に関して、何らかの法的拘束力がメイ首相は獲得できるのはとの期待感が出ているという。EU側は再交渉は拒否する姿勢を堅持しており、メイ首相もそれは求めない方針とも言われている。EU側はアイルランドのバックストップ案に関しても時限措置をとらない方針を強調している。一部にはバックストップ案を恒久措置にはしないことを示唆した何らかの付属文書などが出るのではとの憶測も出ている状況。いずれにしろ、2月27日の英議会投票をにらんで、明日は重要な会談になりそうだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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