【NY市場】ドル円は一時112円台に上昇 景気後退への警戒感を本格的に緩め始めているのか

 きょうのNY為替市場は米国債利回り上昇と伴にドル買いが加速しており、ドル円は一時112円台に上昇した。朝方発表になった2月のISM製造業景気指数が予想を下回り、2016年11月以来の低水準となったことから序盤はドル売りが強まる場面も見られた。今週発表になったシカゴPMIが予想外の強さを示していたことから、今回のISMも期待されていたが、その期待を裏切る格好となった。

 ISM発表直後はドル円も戻り売りが強まったものの、直ぐに切り返している。前日の米GDPが予想を上回り、米国債のイールドカーブはスティープ化を見せ始めている。昨年末に強まっていた今年の景気後退の警戒感を本格的に市場は緩め始めているのかもしれない。市場はまだ、FRBの年内利上げ期待までは高めていないようだが、きょうから3月相場に入ってドル高・円安を期待した動きが出ている可能性もありそうだ。ドル円は110円台でのもみ合いが続いたあとでの、200日線突破となっていることから、上値への期待感が高いのかもしれない。

 ポンドドルはロンドンフィキシングにかけて買いが強まり1.32ドル台後半まで急速に上昇したものの、フィキシングを通過すると今度は一気に売りを強め1.31ドル台まで値を落としている。

 EU離脱交渉は依然として混沌としているが、合意無き離脱への警戒感は薄れており、ポンドは買い戻しが続いていた。しかし、ここに来てその動きも一服している状況。きょうは2月の英製造業PMIが発表になっていたが、数値は52と予想通りであったものの低空飛行は続いている。特に今回は在庫が記録的なペースで積み上がっていることが明らかとなった。英製造業が離脱を警戒して在庫を積み上げたようだ。混乱なく離脱できたとしても、短期的な英経済に対する悪影響は免れそうにないのかもしれない。

 ユーロドルもロンドンフィキシングにかけ1.14ドル台を回復していたが、滞空時間は短く、直ぐに押し戻されている。来週のECB理事会を警戒した動きも出ていたようだ。

 きょうはカナダドルの売りが目立ち、カナダ円も84円台前半に下落。この日発表になったカナダのGDPが弱い内容だったことで失望売りを強めている模様。今週発表になっていた消費者物価指数(CPI)も2%を下回る水準が続いており、インフレ面からは利上げを急ぐ必要はない。

 来週はカナダ中銀の金融政策委員会の発表が予定されているが、金利は据え置きが確実視されている。注目は声明になるが、今回のGDPの結果からすれば、ハト派な内容も期待される。しかし、いずれ利上げの可能性に言及した文言は残る可能性も指摘されているようだ。ポロズ総裁はもう少し指標を確認したいところかもしれない。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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