【NY市場】ドル円は111円割れを試す場面も 英議会が合意なき離脱を否決しポンド急伸

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円も上値が重かった。一時111.45円付近まで上昇し、200日線を上回っていたが、再びその下に戻している。朝方発表された2月の米生産者物価がインフレ傾向を示さなかったもドルを圧迫している。FRBは“辛抱強く”という文言を使い利上げに対して慎重姿勢を強調しているが、きのうの消費者物価指数(CPI)に引き続き、その姿勢を正当化する内容となった。

 NY時間の終盤になってドル円は111円割れを試す場面が見られた。トランプ大統領が「米連邦航空局(FAA)は737MAX8と9の運航停止を命令する」と述べたことで、米株式市場でボーイングが下落し、ダウ平均は上げを帳消しにする場面も見られた。

 しかし、ボーイングは、自らFAAに暫定的な運航停止を進言したことを明らかにし、「その決定は十分な注意を払ったことによるもので、現在も737MAXの安全性に全幅の信頼を置き続けている」と述べた。ボーイングが直ぐに下げ渋ったことから、ダウ平均も再び上値を目指す展開が見られ、ドル円も111円台を維持している。なお、英議会が「合意なき離脱」を否決したことでポンドは上げ幅を拡大している。

 今週に入ってドル円のレンジは50銭程度に留まっており、膠着した展開が続いている。21日線と200日線に挟まれた値動きが続いているが、次の材料を待っている状況に変化はない。

 ポンドは買い戻しが続き、ポンド円は148円台半ばまで上昇。英下院で「合意なき離脱」が否決されたが、明日は離脱延期が投票され、承認されるとの見方が有力視されている。メイ首相は約2ヵ月間の離脱延期を求める計画とも伝わっており、暫定的措置ではあるが、ハード・ブレクジットへの懸念は後退し、ポンドは買いが膨らんでいるようだ。

 離脱が延期になったとしても、あくまで暫定措置で、最終的にどうなるのかは全く未知数で予断は許さない。その間にEUと更に交渉ということになるが、EUは条件の再交渉はしないと述べている。

 ポンドと伴にユーロも買い戻しが強まり、ユーロドルは一時1.1340ドル近辺に上昇。ユーロ円も126円手前まで上昇した。ユーロドルの21日線は1.1315ドル付近、ユーロ円は125.70円付近に来ているが、ともに上回ってきており明日以降、21日線の上を維持できるか注目される。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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