【NY市場】ドル円は111円台回復 米中指標の改善で先行き不安を緩める

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は111円台を回復した。この日から4月相場に入る中、米中の製造業の景況感指標が改善していたことがサポートとなり市場は景気の先行き不安を緩めている。

 米株式市場も大幅高となり、米国債利回りも大幅に上昇する中でドル円は買い戻しが強まった。先月の市場はドイツの弱い指標をきっかけに世界経済の先行き懸念を強め、米10年債と3ヵ月物の利回りが逆イールドを示すなど景気後退を警戒したネガティブな雰囲気が席巻していた。ドル円も心理的節目の110円を割り込むなど売りが強まったが、3月末にかけて買戻しも見られ、きょうは株高と伴に111円台を回復。21日線や100日線を上回って来ており、111.45円付近に来ている200日線を試す動きが見られている。

 景気後退リスクに関して市場はまだ、本格的な警戒には至っていない様子もうかがえる。米中貿易協議も進展を見せそうな気配もあり、FRBやECBも雰囲気を悪化させないよう素早い対応を行っている。それに呼応して株価が支えられる中、ドル円も底堅さを堅持している模様。200日線を回復し、先月上値を抑えられた112円を突破できるようであれば、114円台を再び目指す展開も期待されそうだ。

 リスク選好の雰囲気が強まる中、きょうはポンド買いが目立った。ポンドドルは日本時間0時のロンドンフィキシングにかけて買いが強まり、1.3150ドル付近まで上昇したほか、ポンド円が146円台を回復。ポンド円はきょうの上げで200日線がサポートされた格好となっており、146.35円付近に来ている21日線に顔合わせしている。

 市場ではEU単一市場に残るソフト・ブレクジットへの期待感が高まっているようだ。先週は8つの提案が英下院での示唆的投票で全て否決されたが、きょうも示唆的投票が行われる予定。先週は否決されたもののEUとの関税同盟残留案と2度目の国民投票案は僅差での否決となっており、その案は現地時間夜の示唆的投票でも再び採決される見通し。

 北アイルランドのDUPが「関税同盟2.0」と呼ばれているソフト・ブレクジット案への投票を棄権するとの報道が伝わったことも期待感を高めていた。「共同市場2.0」と呼ばれている案も出ているようだ。可決されても示唆的投票に拘束力はないが、ソフト・ブレクジットに向けて一歩前進とも受け止められ、期待感がさらに高まり、ポンドにとってはポジティブとの見方が広がっている。

 一方、ユーロは軟調でユーロドルは1.12ドルちょうど付近まで下げ幅を拡大。きょうはECBの年次報告が公表されていたが、その中でドラギ総裁は「中期的にインフレ圧力を積み上げて行くには、大規模な刺激策が依然欠かせない」と言明していた。この日発表のドイツ製造業PMI確定値は速報値から下方修正されていたが、頼りのドイツ経済に陰りが見える中、ECBの緩和圧力がユーロを圧迫している。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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