【NY市場】リビア情勢悪化で原油高・ドル安の中、ドル円は200日線付近で推移

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。リビアの首都トリポリ近郊で軍事衝突が発生し、内戦本格化するのではとの警戒感が強まっている。これを受けて商品市場で原油相場が大きく上昇し、原油高・ドル安を誘発した模様。

 ボーイングの下げでダウ平均が下落する中、ドル円は一時111円台前半まで値を落とす場面が見られた。FRBは年内の利下げまでは見込んでいないが、市場は年内利下げの確率を50%超織り込む動きを見せており、利下げ期待を高めている。先週、トランプ大統領がFRBに利下げを求める発言をしたこともその期待感を増幅させているようだ。

 ドル円は111.30円近辺まで値を落としたが、ロンドンフィキシングを境に買い戻しが出て、111.50円近辺まで戻した。本日の200日線は111.50円付近に来ており、全般的に底堅さは堅持している。

 ユーロドルは買い戻しが優勢となり、一時1.1275ドル近辺まで上昇する場面も見られた。21日線が1.1280ドル近辺に来ており、上値メドとして意識されるが、今週は10日水曜日にECB理事会が控えており、上値では戻り売りを推奨する声も聞かれる。

 先週は一部報道で、ECBはマイナス金利政策の副作用を軽減するため、マイナス金利を導入している預金金利の階層的設定を検討しているといった報道も流れていた。もし、これが導入されれば、年間70億ユーロ超に及ぶ銀行によるECBへの支払い負担が一部軽くなるという。

 しかし、きょうはECBに動く気配は見られていないといった報道も流れていた。マイナス金利政策について、ドラギ総裁が見直しを検討すると示唆しているにもかかわらず、政策当局者らは動く気配がないという。議論の対象とはなったものの、特段の行動を促すには至っておらず、コンセンサスの形成で時間を必要としている可能性があると伝えていた。マイナス金利の利点が欠点を上回り、政策を見直す必要はないと依然確信する当局者もいるという。

 ポンドドルは1.3065ドル近辺。ドル売り優勢にもかかわらず、ポンドドルは緩やかに戻り売りに押される展開が続いていた。ただ、午後になって下げ渋る動きも見られ1.30ドル台は維持。

 10日水曜日のEU臨時首脳会談を控えてポンドは上値が重い。市場では離脱期限延長をEUが承認すると見ているようだ。きょうも英政府と野党労働党の協議が行われている。10日の首脳会談にメイ首相が何を提示できるか、労働党との協議次第だが、市場は楽観的に見ている模様。しかし一方で、内容次第ではEUは離脱延期を認めないとの見方も出ている。EU側は、総選挙にしろ2回目の国民投票にしろ、離脱延期後のプロセスに関して明確に道筋を示さない限りは離脱延期は承認できないとも言及している。

 いずれにしろ、情勢が混沌としていることは確かなようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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