【NY市場】ドル円はきょうも200日線を一時下回る 米GDPは見た目ほどの強さではないとの見解

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。きょうの注目は1-3月期の米GDP速報値だったが、前期比年率で3.2%と予想を大きく上回るかなり高い数字となった。発表直後こそドル買いが強まったものの直ぐに反転している。個人消費は予想こそ上回ったものの1.2%と低水準の伸びとなり、デフレータやPCEコア指数も予想を下回った。数字を押し上げた主な要因は在庫投資と純輸出で、在庫投資は1284億ドルの大幅な拡大となり、純輸出もプラスに寄与した。

 市場からは在庫積み上げなど一時的要因が大きく、国内最終需要は鈍化していることから、見た目ほどは強くはないとの見解も出ている。少なくとも今回のGDPはFRBの利上げを促す内容ではなさそうだ。とはいえ、利下げ期待を強めるような数字でもない。

 ドル円はGDP発表直後に112円台に瞬間的に上昇も直ぐに戻り売りが強まり、111.45円付近まで下落する場面も見られた。111.50円付近に200日線が来ており、きのうに引き続き一時割り込んでいる。ただ、ロンドンフィキシングを挟んで買い戻しも見られ111.65円付近まで戻す動き。

 ユーロドルは買い戻しの動きが優勢。GDP発表直後に瞬間的に1.1110ドル付近まで下落したが、直ぐに切り返している。今週の下げでショートポジションが積み上がっていたこともあり、売り一巡後は買い戻しが活発に入り1.1170ドル近辺まで上昇した。しかし、米経済とユーロ圏経済の格差に再び注目されており、1.12ドル台の回復を目指す展開までは見られていない。

 この日曜日にスペインの議会選挙が行われる。市場からは強い警戒感までは出ていないものの、どの政党も単独過半数の獲得は難しい情勢でハング・パーラメントになりそうな気配も出ている。ユーロにとって大事には至らないとは思われるが、スペインの政局が少し不安定になる可能性は留意される。

 ポンドドルも一時1.2940ドル付近まで買い戻された。200日線が1.2960ドル付近に来ており、目先の上値メドとして意識されるが、上値にはなお慎重だ。

 市場はEU離脱協議の動向に意識が集中している。メイ政権と野党労働党の超党派での協議は続いているようだが、進展が全く聞こえてこない。市場にも不安感が高まっているようで、ポンドの上値を圧迫している模様。可能性はまだ低いものの総選挙のシナリオも想定される。もし、野党労働党が政権を奪回してもシナリオはポンド安との見方も少なくないようだ。いずれにしろ、もうしばらく不安定な情勢が続きそうだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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