【NY市場】米中協議への不透明感強まりリスク回避の円高 ドル円は110円台前半まで下落

 きょうのNY為替市場は米中貿易協議への不透明感が強まっており、市場はリスク回避の雰囲気を再び強めている。ドル円は110円台前半まで下落した。

 日曜日のトランプ大統領の対中関税引き上げのツイートで、前日の市場も米中貿易協議への警戒感が強まっていた。きのうの米株式市場でダウ平均は一時大幅安となっていたが結局、下げ渋る動きも見せ小幅安に留まっていた。しかし、前日の市場終了後にライトハイザーUSTR代表の発言が伝わり、一気に市場のムードは悪化している。同代表は「金曜日に対中関税を引き上げる」と語っていた。

 トランプ大統領特有の威嚇との見方もあって、市場はたかをくくっていた面もあったようだ。今週行われる米中貿易協議は9日の木曜日に変更になった模様だが、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪問する。一部からは年内の合意は難しいのではとの悲観的な声も出始めているようだ。

 市場の楽観ムードも一気にさめ、米株式市場でダウ平均が一時600ドル超下落する中、リスク回避の円高がドル円を圧迫。きょうの下げで再び100日線を下回っており、目先は心理的節目の110円ちょうどが意識される状況。

 ユーロドルはNY時間にかけて戻り売りが優勢となり、1.1170ドル近辺まで一時下落する場面が見られた。この日発表された欧州委員会の経済見通しをきっかけに売りが出ている。ドイツ経済の今年の成長見通しを0.5%に下方修正したほか、イタリアの見通しは0.1%に下方修正した。イタリアに関しては、財政赤字が19年はGDPの2.5%、20年は3.5%に悪化する見通しも示した。更に、貿易摩擦の悪化がユーロ圏経済にとって重大な衝撃となり得ると警鐘を鳴らしている。

 ドイツの見通し下方修正はドイツ政府の事前の見通しと合致しておりサプライズはない。ただ、貿易摩擦への警鐘とイタリアに関してはネガティブな印象を市場に与えたようだ。

 1.12ドル台が次第に重くなっている印象もある。米中貿易協議の決裂はリスク回避の強まりからドル高を誘発し、ユーロドルにとっては圧迫要因との見方も出ている。また、米欧の貿易交渉も合意できないようであれば、報復関税の引き上げ合戦となり、こちらもユーロドルを圧迫するとも見られているようだ。目先は先週の米雇用統計発表直後の安値1.1135ドルと4月安値の1.1115ドルが下値メドとして意識。

 ポンドも売りが優勢となり、ポンドドルは一時1.3040ドル付近、ポンド円は143円台に下落。ポンドドルは21日線が1.3020ドル付近に来おり、心理的節目の1.30ドルと伴に目先の下値メドとして意識される。

 英国勢も連休から復活し、EU離脱協定に関する超党派の協議もきょうから再開しているが、メイ首相、野党労働党のコービン党首とも合意に強く興味を示している。ただ、先日の地方選挙で両党とも大敗を喫している。そのことが議員に譲歩を躊躇させていることも明らかで、超党派で何らかの合意形成ができたとしても、議会の支持を得られるかどうかは未知数だという。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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