【NY市場】G20での米中協議への期待強まりドル円に買戻し

 きょうのNY為替市場、トランプ大統領の発言でドル円買戻しが優勢となり、一時108.65円近辺まで買い戻される場面も見られた。きょうは円高が優勢となりドル円は東京時間から軟調な展開となっていた。NY時間には108円台前半で取引開始となったが、日本時間の22時22分ごろに山形県沖を震源地とする最大震度6強の地震が発生し津波警報も発表された。これを受け円高の動きが更に加速し、108.10円近辺まで下げ幅を拡大する場面も見られた。

 しかし、その直後にトランプ大統領の発言が伝わり、今度は一転して買い戻しが強まった。大統領は「日本でのG20で習主席と会う。習主席とはG20で時間をかけて会談する」と述べた。この発言を受けG20での米中協議への期待感が高まり、米株式市場でもダウ平均の上げ幅が一時400ドル超上昇する中、ドル円も買戻しが強まった格好。

 なお、ホワイトハウスがパウエルFRB議長を議長から理事へ降格させる法的可能性を模索していたとの報道が伝わり急速に下落する場面が見られたが一時的反応に留まった。

 きょうから注目のFOMCが始まっている。市場では利下げを示唆してくるとの期待感を高めており、7月利下げの期待を高め、CMEのFEDウォッチでは、7月利下げ確率が90%まで上昇。1ヵ月前は25%程度であった。なかには0.5%の大幅利下げを見込む動きも見られている状況。

 しかし、ウォールストリートのエコノミストからは、予防的利下げだとしても7月は早過ぎるとし、疑問視する向きも少なくない。95年から96年、そして、98年の利下げを鑑みれば、現状の経済ファンダメンタルズは利下げを正当化せず、市場が考えている以上にハードルは高いほか、現在の市場は2020年末までに1%の利下げを織り込んでいる。これはリセッション時にのみ正当化されるといった声も聞かれる。更に7月利下げに踏み切ったとしても、その場は株式市場は上昇したとしても、次第に下振れリスクが高まり、最終的にはネガティブとの声も出ている状況。利下げの可能性は示唆して来る可能性は高そうだが、時期や幅については意見が分かれているようだ。

 ユーロドルは1.11ドル台後半での推移。きょうはユーロ売りが目立った。ECBの年次シンポジウムがポルトガルのシントラで行われ、ドラギ総裁が冒頭の演説で、「量的緩和はまだかなりの余地あり、見通しが改善しなければ、追加緩和が必要」との認識を示した。これを受け市場はECBの利下げ期待を高めており、短期金融市場では0.1%の利下げを織り込む動きが見られている。また、フランス10年債は一時初のマイナス利回りに低下する場面も見られた。

 ユーロドルは、トランプ大統領によるドラギ総裁の緩和姿勢への苦言などで何度か1.12ドル台に戻す場面が見られたものの、いずれも上値を抑えられている。明日のFOMCの反応次第だが、1.12ドル台を早期に回復できないようであれば、4月、5月にサポートされた1.11ドルちょうどの水準を再び試しそうな気配も出ている。

 ポンドはNY時間に入って下げが一服しポンドドルは1.2560ドル近辺まで買い戻された。一時1.2505ドル近辺まで下落し、1月初めの東京市場でのフラッシュクラッシュ以来の安値を更新する場面も見られたが、対ユーロでの買い戻しがサポートした模様。

 ただ、ポンドの下向きの流れに変化はない。英保守党の党首選が行われている中、合意無き離脱のリスクを警戒した動きは続いている。きょうは英保守党・党首選の2回目の議員投票が行われたが、ジョンソン前外相が1回目同様にトップで通過し ラーブ前EU離脱担当相が脱落した。5名が残り、明日は3回目の投票が行われる。

*英保守党党首選2回目投票結果
ジョンソン氏:126票
ハント氏:46票
ゴーブ氏:41票
スチュワート氏:37票
ジャヴィド氏:33票
ラーブ氏:30票(落選)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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