【NY市場】FOMC受けドル売り ドル円は一時108円割り込む ただ、期待ほどハト派ではない印象も

 きょうのNY為替市場は午後になって発表されたFOMCの結果を受けドル売りが優勢となった。ドル円は一時108円を割り込む場面も見られている。

 そのFOMCは、市場の利下げ期待が強まる中、今回は予想通りに金利据え置きとなったが、声明から「辛抱強く居られる」の文言を削除するなど、期待通りに利下げの可能性を示唆してきた。このところハト派色を強めているブラード・セントルイス連銀総裁が利下げを主張し反対票に回ったこともドル売りを誘発したようだ。

 しかし、FOMCメンバーの金利見通し(ドットプロット)は意見が2つに分断しており、中央値は年内変わらずとなっていた。この点では市場が期待していたほどハト派な印象はない。

 その後のパウエルFRB議長の会見でも、緩和の論拠が強まったと判断はあった一方で、様子を見て指標を確認したい意向も滲ませている。少なくとも今回のFOMCからは7月利下げを確信とまでは行かなかったものと思われる。

 ドル円はFOMC後に一時108円を割り込む場面が見られた。前日はG20での米中協議への期待が高まり、米株も大幅高となる中、ドル円もリバウンドの動きを見せていた。しかし、その流れを維持することができていない。前日のECB年次フォーラムでドラギ総裁は追加緩和の可能性を強調していたが、日銀にも同様の期待が高まってはいる。しかし、既に残されている手段が少ないのも実情で、日銀の追加緩和に期待した円売りを仕掛ける雰囲気はない。
 一方で株価が底堅く推移していることから、強い下押しの動きまではなく、108円台を維持している状況。きょうは107.90円近辺まで下落していたが、明日以降、下値模索が強まるか警戒される。

 ユーロドルは1.12ドル台に戻す展開。FOMC後に買いが強まり、一時1.1250ドル付近まで上昇した。21日線が1.1225ドル付近に来ているが、その水準を上回る動きが見られており、こちらも明日以降の動きが注目される

 前日はドラギ総裁の追加緩和や利下げの可能性を強調した発言でユーロもドイツ債利回りも下げた。しかし、ドラギマジックも1日で終了している。きょうの動きを見て市場からは、ECBの金融政策の見通しはもはや、市場に大きな影響を与えるだけの余力はないのではとの声も出ているようだ。これまでの緩和拡大策で、ECBの緩和余地も既に少なくなっており、実施したとしても影響は以前ほどは大きくはない可能性も指摘されている。

 ポンドも買い戻しが優勢となり、ポンドドルは一時1.2675ドル近辺まで上昇。21日線が1.2655ドル付近に来ているが、きょうはその水準を一時上回っており、リバウンド相場に入れるか、今後の展開が注目される。

 きょうは保守党党首選の3回目の投票が行われ、結果が公表された。トップは変わらずジョンソン氏で143票を獲得。2位はハント氏で54票を獲得した。ただ、3位のゴーヴ氏とは僅差となっている。一方、他候補との共闘の動きを見せていたスチュワート氏が落選。前日はぎりぎりの通過となったジャヴィド氏は今回も残った。なお、ポンドの反応は限定的。明日は4回目の投票が実施される。

*英保守党党首選3回目投票結果(19日)
ジョンソン氏:143票
ハント氏:54票
ゴーヴ氏:51票
ジャヴィド氏:38票
スチュワート氏:27票(落選)

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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