【NY市場】パウエル証言を受けドル売り強まる ドル円は一時108.35円近辺まで下落

 きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は108.50円水準を割り込み108.35円近辺まで一時下落。きょうはパウエルFRB議長の下院金融委員会での半期に一度の議会証言が行われている。NY時間に入って直ぐに証言原稿が事前に伝わり、為替市場はドル売りの反応を強めた。

 議長は、「6月FOMC以降、貿易問題を巡る不確実性と、世界経済に対する懸念が引き続き米経済の見通しを圧迫しているようだ」と述べた。「インフレ圧力も抑制されたまま」とも指摘した。市場は今月末のFOMCでの利下げの可能性を示唆したものと受け止めたようだ。また、その後の議会証言の質疑応答で「6月雇用統計は見通しに変化を与えなかった」との発言にも敏感に反応した模様。

 今月末のFOMCで一時期高まっていた0.5%の大幅利下げ期待までは示唆しなかったものの、0.25%の利下げ期待を追認する内容と見られている。もっとも、市場は既に織り込んではいるものの、先週の強い米雇用統計を受けて一部からは、利下げは9月に延期になるのではとの見方も出ていただけに、今回の証言を受けて米国債利回りの下げと伴に、為替市場はドル売りで反応している。

 午後になってFOMC議事録が公表され、利下げの根拠が強まったと多くの参加者が判断していたことが明らかとなったこともドル売りを促した。

 ドル円の目先の下値サポートとしては、108.30円付近と、21日線が来ている108.10円付近が意識される。

 パウエル証言を受けドル売りが強まる中、ユーロドルは買い戻しが優勢となり100日線がある1.1255ドル付近に顔合せしている。目先は1.1285ドル付近に来ている21日線まで届くか注目。ただ、この日は欧州委員会から域内の経済見通しが発表になっており、2020年のユーロ圏のGDP見通しが下方修正されていた。ECBによる追加緩和期待も高まる中で、ユーロの戻りにも限界との見方もあるようだ。

 ポンドドルも1.25ドル台まで買い戻されている。ポンドドルは年初来安値更新が続いていたが、きょうは下げ一服といったところだが、対円やユーロでは上値の重い展開が続いている。

 きょうは5月の月次英GDPが発表され、前月比0.3%と前月のマイナスからプラスに回復していた。製造業が寄与した模様で、EU離脱に絡んで閉鎖していた自動車生産工場が操業を再開し生産が通常通りに回復したことが貢献した模様。自動車生産は前月比で24%増加している。しかし、エコノミストの間では今回の回復をもってしても、第2四半期のマイナス成長は回避できないとの見方が根強い。

 きょうはカナダ中銀が金融政策委員会の結果を公表。結果発表直後にカナダドルの売りが強まった。政策金利は大方の予想通り据え置かれたものの、注目の声明で「現在の緩和が適切」と言及していたことに敏感に反応した模様。ドルカナダは1.1340加ドル近辺まで上昇したものの、その後のドル売りの動きもあって1.30ドル台に戻す展開。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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