【NY市場】米CPIや米30年債入札でドル円は一時108.50円水準まで買戻し

 きょうのNY為替市場はドル買い戻しの動きが優勢となりドル円も渋った。前日のパウエルFRB議長の米下院での議会証言を受けて利下げ期待が強まっており、東京時間にドル円は107円台に値を落とす場面も見られていた。パウエル議長の証言は予想以上にハト派な印象が市場に広がっている模様。

 しかし、107円台に入ると買い戻しも出て108円台に戻す中、朝方発表になった6月の米消費者物価指数(CPI)のコア指数が予想を上回ったことから、利下げ期待がやや後退しており、米国債利回りの上昇と伴にドル円も買い戻された格好。

 きょうはパウエル議長の米上院での議会証言が行われたが、事前原稿は前日と同じ内容で、貿易問題が米経済の見通しに重しとなっている点に言及していた。利下げの可能性を示唆したことにも言及しており、前日同様にハト派色が強い印象。しかし、市場の反応は軽微だった。

 なお、この日はバーキン・リッチモンド連銀総裁とボスティック・アトランタ連銀総裁の発言が伝わっていたが、7月利下げに関してはオープンとの姿勢を示していた。

 21日線が108.05円付近に来ているが、その水準が維持される中、午後の米30年債入札を受けて米国債利回りが上昇し、ドル円も108.50円付近まで買い戻されている。

 一方、ユーロドル戻り売りが強まった。ロンドン時間には1.13ドル手前まで買い戻されていたが、米CPIを受けて戻り売りに押されている。ちょうど21日線に跳ね返された格好となっており、上値の重さも感じられる展開。

 きょうはECBが6月理事会の議事要旨を公表していた。一段の刺激策の必要性で幅広く一致していたようだが、フォワードガイダンスやTLTROの条件など個別の政策手段については意見が異なっていたようだ。ユーロドルは発表直後は買いを強めたものの、その後の米CPIを受けて一気に戻す展開となっている。

 市場ではFRBが今月の利下げを示唆する中で、ECBも利下げで追随するのではとの期待も根強くある模様。その場合は0.1%の利下げとなりそうだが、今回は利下げを示唆するに留まり9月実施との見方がなお有力。

 IMFがユーロ圏経済に関するレポートを公表しており、ショックはないが沈滞している。ただ、ECBの利下げ余地は限られており、下振れリスクが高まった場合、財政刺激策が必要になるだろうと言及していた。

 ポンドドルもNY時間に入って戻り売りに押され1.25ドル台前半に伸び悩んでいる。パウエルFRB議長の議会証言を受けてポンドドルも買い戻しの動きが見られているが、ポンドが安値圏にあることに違いはない。事実上の次期首相を選ぶ保守党の党首選が続いているが、合意無き離脱のリスクは健在で、その懸念が完全に払拭されない限りはポンドの反転は期待しにくいとの見方は根強い。一部では合意無き離脱になった場合、ポンドは10~15%下落し、ポンドドルは1.10ドルまで下落する可能性を指摘する向きもいるようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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