【NY市場】ドル円は108円台前半で振幅 動意なくレンジ相場続く

 きょうのNY為替市場でドル円は終盤になって108円割れを試す動きも見られたものの、大方108円台前半での振幅が続いた。きょうも特に動意はなく狭い範囲でのレンジ相場が続いている状況。21日線を再び回復しており、リバウンド相場の流れにかろうじて踏み留まっている状況下、次のアクション待ちの雰囲気が強い。FRBの利下げ期待は根強いものの、これ以上それを織り込む動きまでは無く、一旦様子見となっている状況。ECBを始めとした各国中銀も追加緩和再開に動きそうな中で、今週はドル売りも一服しており、ドル円も下げ一服となっている状況。

 きょうからG7財務相・中央銀行総裁会議がフランスのパリで行われており、世界経済の減速リスクを点検するほか、今回はフェイスブックが発行を計画している仮想通貨「リブラ」への規制に加え、IT企業を対象にした新税制「デジタル課税」の方向性も討議される予定。

 リブラについては今週、米議会がフェイスブックの幹部への公聴会を行っていたが、フェイスブック側は当局の承認がなければ発行をしない方針を示していた。ムニューシン米財務長官からもリブラを警戒する発言を行っており、G7でもネガティブな見解が出るものと予想される。それを受けてIT・ハイテク株がネガティブに反応するようであれば、ドル円相場にも一定の影響が出ることも考えられるが、可能性は低そうだ。

 ユーロドルはやや買い戻しが強まっており、1.1230ドル近辺まで一時上昇。今週に入ってドル安も一服しており、ユーロドルは再び下値模索の動きが見られている。きょうは1.12ドルちょうど付近まで下落する場面も見られたが、その付近ではオプションがらみなど買いオーダーも観測され、1.12ドル台は維持されている。強い下値抵抗となっている模様。市場は今月末のFRBの利下げに関して、ある程度織り込んだ節もある中で、ECBの追加緩和に注目し始めている。来週がECB理事会だが、そこでの政策変更はないことが見込まれているものの、利下げや債券購入の可能性を強く示唆してくると見られているようだ。

 FRBが市場の期待通りに利下げを実施してきたとしても、年内2回までであれば、為替市場はドル高の流れが続くとの見方も出てきている。今週発表になった米小売売上高は予想を上回る強い内容だったが、米雇用統計以降発表になっている米経済指標は堅調な内容が多く見られることから、市場の期待ほどFRBは利下げはできないとの見方もあるようだ。そのような中でユーロドルが1.12ドルを完全ブレイクするようであれば、5月安値の1.11ドル台前半を試す動きも警戒される状況。

 ドル買いが一服する中でポンドの買い戻しが目立った。ポンドドルはNY時間に入って買い戻しを加速させており、1.24ドル台半ばまで戻す展開。特にポンド買いの材料は見当たらないが、このところの下げで値ごろ感からのショートカバーが出ているようだ。事実上の次期首相を選ぶ保守党党首選が続いているが、ジョンソン、ハント両候補とも合意無き離脱の可能性は完全には排除してない。一部からは、もし、合意無き離脱となった場合はポンドドルはパリティー(1.00)まで下落するシナリオも指摘されていた。そのリスクは高まっているとしている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

minkabuPRESS編集部所属