【NY市場】トランプ発言でドル円は一時105.50円水準ブレイクも水準を維持

 きょうのNY為替市場、ドル円の下値模索が続き、これまで強いサポートとなっていた105.50円水準をブレイクする場面も見られたものの、後半に戻しており水準は維持した。

 きょうはトランプ大統領の発言で米中問題への不透明感が強まっている。大統領は9月に予定されている米中貿易協議を延期する可能性に言及したうえで、「予定通り9月に会合するかどうかは今後分かることだが、会合するのならそれは結構だが、しなくても構わない」と述べていた。

 米株式市場も一時下げを拡大する中で、リスク回避の円買いがドル円を圧迫。そのほかFRBの利下げ期待も高まっており、ドル売り圧力もドル円を押し下げているようだ。二重の逆風にさらされる展開が続いている。なお、トランプ大統領は「ドル安に誘導しないし、その必要もない」とも述べていた。

 ドル円は一時105.25円近辺まで下落し、大きな心理的節目である105円を視野に入れた動きは続いている。昨年も105円割れの局面があったが、跳ね返されており、少し攻めにくい面もあるのかもしれない。年初のフラッシュ・クラッシュ時も瞬間的に104円台に入ったものの直ぐに買い戻されていた。ショート勢からすれば、心理的に嫌な水準ではある。

 105円に接近するに従ってショートカバーも出て下値抵抗も強まりそうだが、買い戻されたとしても上値の重い展開はしばらく続きそうだ。

 ユーロドルは買い戻しも見られた。ドル売りの動きがユーロドルを押し上げている面が大きい。しかし、米中問題の悪化により中国経済が更に悪化するようであれば、米経済よりもユーロ圏経済への影響のほうが大きいことを考慮すれば、ユーロの上値も軽くはなさそうだ。

 きのうはドイツ政府が新発の国債を発行し、温暖化対策のための財政刺激策を行うと報じられていた。ドイツは財政健全化のため新たな国債発行は控えるということで、メルケル首相をはじめ与党内での合意が形成されているが、もし報道通りであれば、合意を破棄する内容ではある。ただ、ドイツのショルツ財務相は、新発国債を発行しなくても、大きな投資は可能であることを示唆していた。本日はそれもユーロを支援していたようだ。

 ポンドの下値模索が続き、ポンドドルは1.20ドル台前半まで下落。2017年1月以来の安値水準。米中問題への懸念が再燃する中でドルは軟調な動きも見られているものの、ポンドはそれ以上に下落している格好。合意なき離脱へのリスクがポンドを圧迫している。きょうは第2四半期の英GDPが発表になっていたが、前期比マイナス0.2%と2012年以来のマイナス成長に陥った。個人消費は前期比0.5%増と力強い内容だったものの、企業投資が0.5%減少し全体を圧迫した。

 英中銀はいまのところ利下げには消極的だが、経済のファンダメンタルズ面から見ても、合意なき離脱が現実化するようであれば、利下げ期待は高まりそうだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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