【NY市場】パウエル待ちで全体的に方向感ない展開 ポンドに買い戻しが強まる

 きょうのNY為替市場、ドル円は106円台半ばでの推移が続いた。朝方発表になった米製造業PMIが景気判断の分岐点である50を2009年9月以来初めて割り込んだことから世界経済の先行き懸念が広がり、ドル円も値を落とす場面が見られたものの、基本的には106円台での狭い範囲での値動きが続いている。

 ロンドン時間には、韓国が日本との軍事情報協定(GSOMIA)を破棄するとの報道もあり106.25円付近まで値を落としたものの、NY時間にかけて買い戻される展開。マイナス圏で推移していた米国債利回りが上昇に転じたこともサポートした。

 ただ、全体的には方向感のない展開が続いている状況で、明日のパウエルFRB議長の講演待ちの雰囲気が強い。市場は追加利下げに関して何らかのヒントを期待しているようだが、現在の経済状況を鑑みれば、市場の期待ほどハト派な内容にはならないとの見方も少なくない。

 きょうは7月FOMCで据え置きを主張したジョージ・カンザスシティ連銀総裁の発言が伝わっていたが、「現在の米経済の状況を見ると、まだ追加緩和の機は熟していない。景気減速を示唆する見通しがない限り、さらなる緩和を提供する心構えは私にはない」と述べていた。

 9月FOMCでの大幅利下げ期待までは後退しており、ドル円にとってはポジティブな流れではあるものの先行き懸念は根強く、円高圧力が上値を抑えている。

 106.70円付近に売りオーダーが観測され、その上には21日線が106.90円付近に来ている。一方、106円台前半には買いオーダーが観測されており、前日とオーダー状況に変化はないようだ。

 ユーロドルは1.10ドル台後半での推移。ロンドン時間に発表になったドイツやフランス、ユーロ圏のPMIが予想を上回ったことでユーロドルも買いが膨らみ1.11ドル台に上昇する場面も見られた。しかし、1.11ドル台は維持できずに上値は依然として重い。

 きょうは7月のECB議事録が公表されていたが、インフレ期待の低下傾向が懸念の要因であり、景気減速は予想以上に長引く可能性が高いとの認識で同意していたことが明らかとなった。貿易問題など外的要因が製造業を圧迫しているが、それがサービス業の先行指標になってしまう可能性への懸念も示されていた。議事録は9月の理事会での利下げ期待を裏付ける中身となったが、なかには予想以上の追加緩和が打ち出されるとの見方もありユーロの上値は依然として重い。

 きょうはポンドの買い戻しが強まりポンドドルは一気に1.22ドル台半ばに上昇し21日線も突破。ドイツのメルケル首相が「離脱期限の10月31日までにバックストップの解決策を見出せる」と述べたことが買い戻しを強めた。マクロン仏大統領も協議には合意したようだ。

 ポンドドルは今月上値を拒んでいた1.22ドル水準を一気に突破したことで、下値攻めに難航していたショート勢も買い戻しを余儀なくされたようだ。この動きにモデル系ファンドの買い戻しも活発に入った模様。しかし、市場の一部からは10月31日までにバックストップ案に解決策を見出せるか疑問視する声も少なくない。ジョンソン英首相は楽観的だが、バックストップの代替案を見つけるには2年はかかるとも言われており、それをあと1ヵ月余りで解決するのは非現実的との声もあるようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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