EU司法裁判所「OMTは原則的に合法」でユーロ売り強まる

ECB量的緩和へのハードル一台取り除かれる

さきほど、注目されていたEU司法裁判所の「OMT」(ECBによる無制限国債買い入れ策)についての見解が発表されました。

「OMTは「原則的に」EU条約に沿っている」
「ECBはEU金融政策を策定かつ実施するに当たり、幅広い裁量を与えられるべきである」

との見解が法務官から発表されました。

OMTはギリシャなどの債務国の国債をECBが買うプログラムですので、今話題になっている量的緩和とは違ったものです。

この訴えはECBによる国債の買い入れ自体に反対するドイツの議員らが、ドイツ憲法裁判所にOMTはEU憲章が禁止している財政ファイナンスに当たるとして提訴し、ドイツ憲法裁判所が「EUの規定に抵触していると考える十分な根拠がある」としたものの、最終判断をEU司法裁判所に付託していたものです。もしEU司法裁判所の見解でOMTが違法なもの、とされれば、量的緩和を開始することに非常に高いハードルが設けられる可能性がありました。

この見解に法的拘束力はありませんが、裁判官はこの見解に沿った判断をすることが一般的ですので、ドイツ憲法裁判所に提訴されたOMTの違法性は認定されない見通しになりました。

この結果を受けて22日のECB理事会では、量的緩和の開始を決定する可能性が高まったと考えられます。

今日の報道ではドラギECB総裁が

「ECB理事会全員が責務達成の決意」
「デフレリスクは依然低いが1年前より確実に高い」
「物価安定達成には緩和的金融政策が必要」

などと述べていることも、量的緩和決定への期待を高めています。

その為市場ではユーロ売りが強まって、1.17台前半と2005年12月以来の水準まで下落しています。

<本記事ご協力>
チーフストラテジスト 高野やすのり様

高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト