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2015年12月16日は歴史的な日に! とうとう開かれた“パンドラの箱”?

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2016年相場は新興・資源国にとって前途多難な一年に?

東京時間本日未明に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)において、FF金利誘導目標を0-0.25%から0.25-0.50%への引き上げを決定。利上げ自体は2006年6月以来9年半ぶり、ゼロ金利解除が2008年12月以来7年ぶりに決定され、まさに歴史的な一日となりました。

声明内容では、「(懸念されている)インフレ率は中期的に2%へ回帰することを確信」し、「(今後も)緩やかな利上げのみ正当化される状況」であり、「今後も金融政策が緩和的であり続ける」と表現し、FRB史上最も緩和的な引き締め」(ロイター)との印象をマーケットに与える結果に。

今回の緩和的引き締めにより、預金者には僅かな金利上昇の恩恵を、投資家には僅かな景気回復への自信を、そして企業や政府には僅かのインフレ期待を与えたという、まさに「三方よし」の格好となり、株式・為替・金利マーケットは概ね好意的なファースト・リアクションに。

次のテーマは早速「利上げ回数」へと移り、FRBメンバーによるドット・プロットは9月と変わらず来年末:1.375%となっていることから逆算すると、年間4回の利上げというのが2016年の“利上げロードマップ”草稿になり得そう。

目先のポイントは来年3月(1516日)のFOMC会合において2回目の利上げができるかどうかという点ですが、その利上げタイミングで重要なのは外部環境の動向。特に新興・資源国にとっては今回の利上げが“パンドラの箱”を開けた形となり、昨今の原油安によるボディー・ブローも相俟って、いつ本格的な副作用を起こしても不思議ではない状況であるということを忘れるべきではありません。

特に、中国・ロシア・ブラジルあたりの“Xデー”を心配する向きも多く、原油安に苦しむサウジアラビアベネズエラといった産油国についても常に警戒しておく必要が。
来る2016年相場は、今回の利上げがもたらす新興・資源国の副作用について今のうちから留意すべきなのかもしれません。

ユーロ/ドル、再度下落は時間の問題?

新興・資源国の体力を徐々に蝕む昨今の原油安ですが、今までの通例では「国際商品高/安」=「ユーロ高/安」という方程式が成り立っていたものの、先の“ドラギ・ショック”もあり足もとのユーロ/ドルは買い戻され、国際商品価格との乖離ができている状況。その国際商品のインデックス(指数)を表したCRB指数ユーロ/ドルとの2014年1月以来の相関係数は0.717となり、ほぼシンクロしていることを勘案すると現状のCRB指数とユーロ/ドルの乖離は遅かれ早かれ修正されそう。原油価格の低迷はサプライサイドの問題であり、構造的な安値フローとなっていることを考慮すると、ユーロ/ドルが再度下値を試してくるのは時間の問題と考えますが・・・。いかがでしょうか?

ユーロドルCRB指数

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津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。