マーケット

ドラギ総裁講演に注目

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/04/23

昨日はアジア時間の豪消費者物価指数が市場予想を下回り、利上げ観測が後退、さらに中国のHSBC製造業PMIの速報値が市場予想通りでしたが、50を割り込んでの低水準が続いていることなどから豪ドルが各通貨に対して大きく下落してのスタートとなりました。
欧州時間はフランスのPMIが市場予想を下回りユーロ売り、その後のドイツ、ユーロ圏のPMIは市場予想を上回り追加緩和観測が後退となりユーロ反発となり、昨年からよく見られた、溜まっていたユーロ売りが絞り出され上昇を強める展開となりました。また、BOEの議事録では住宅価格の高騰を懸念する内容が含まれたものの、短期的なインフレ圧力が抑制されていることや中国、新興国経済への懸念などが利上げ観測を押し下げたこと、対ユーロを中心に溜まっていたポンド買いのポジションが整理され、ポンドは下値を探る動きとなりました。
米国時間は発表されたマークイットの製造業PMIは市場予想に反し低下、新築住宅販売件数も市場予想に反し前月から減少となり、リスク回避色が強まり米国債利回りは低下、ドル売りが強まりました。

また、ウクライナにおいてはウクライナ政府が東部で親ロシア派の武装集団を強制排除を再開することを検討し、先週外務相レベルでまとまった米、露、ウクライナ、EUでの四者合意が崩壊する可能性が浮上する可能性が出てきたことから緊迫度が増している状況となっています。

0424ny

【主要通貨の動き】

ドル円は欧州時間序盤にジリジリと下値を探り、102.40近辺から下のストップを次々にヒットし102円台前半まで押し込まれる展開となりました。その後の反発も米国の冴えない経済指標に上値を阻まれましたが、底も堅く、AppleやFacebookなどの米国企業決算が好調であったことを受けて102円台中盤の定位置に戻っての推移となっています。
日足チャートでは長い下ヒゲを残しての推移となり上値は重いものの底の堅さを印象づける形となっていますが、今週に入り上値を抑えている102.70をしっかりと上抜けてくるまでは上昇圧力が強まったとは言えないと思われます。サポートの候補は昨日の安値近辺の102.16、節目の102.00などが挙げられます。

0424usdjpy

不沈空母ユーロはまたしてもショートを絞り出し上昇を強めたものの、伸び悩み押し戻され上値の重さを意識させられています。ここ数日では1.38中盤で押し戻されている動きが目立っていることから、その中での最高値である4月17日の高値1.3865を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。このラインを上抜けてくると売り方は苦しい状況となり、またショートスクイーズがみられる可能性が高まります。

0424eurusd

ユーロ円は相変わらず方向感の薄い推移を続けています。140.00-142.00のどちらかに抜けてくるまでは様子をみても良いかもしれません。

0424eurjpy

ポンドは先週の高値である1.684を上抜けることが出来ずに失速となりました。アジア時間から対ユーロで売りが強まったことが重しとなり、さらにはBOE議事録でが利下げに慎重な姿勢にとられたことや、冴えない英経済指標により下値を探る動きとなりました。
しかし、1.68を割り込んだところでは底堅さをみせていることから、再度1.68を回復できるかどうかに注目したいところです。なお、1.684近辺で数回上値を抑えられていることからこのラインを上抜けてきたところにはストップ買いも蓄積されていることが予想され、上昇圧力が加速すると予想されます。サポート候補は昨日のサポートとなっている1.676近辺と考えられ、割り込むと依然として買いポジションの方が多いと考えられることから決済売りが加速すると予想され下落圧力が増すと考えられます。

0424gbpusd

ドルは大幅下落。それまで対ドル、対ユーロなどで溜まっていた買いが放出される展開となりました。3月後半から4月序盤にレジスタンスとして活躍その後はサポートとなっていた0.93を割り込んで下値を探る動きとなりましたが0.9267近辺で下げ止まりをみせています。本日はこのラインを守れるかどうかに注目したいところです。再度この水準を下回る推移となると更なる下落圧力が加わると予想されます。

0424audusd

【本日の注目材料】

本日は欧州時間にドイツIFO景況指数、ドラギ総裁の講演が予定されています。昨日のドイツPMIに続きIFO景況指数も良好な結果となると追加緩和観測が後退し、更なる売りポジションの絞り出しにつながる可能性も秘めています。ドラギ総裁の講演ではユーロ高を懸念するコメント、また最近話題の量的緩和の検討についてのコメントがでると昨日強まったユーロ買いが巻き戻され、下落圧力が加速する可能性も考えられます。そして、ドラギ総裁もイースターの関係から4月の消費者物価指数が強含むと想定しているかどうかに関してのコメントが出るかどうかにも注目です。

米国時間は耐久財受注、新規失業保険申請件数の発表が予定されています。耐久財受注はISM製造業景況指数の先行する新規受注の結果が良好だったこともあり期待が高まっていることから失速となるとインパクトは大きいと予想されます。新規失業保険申請件数は2週連続で低水準で推移していることから若干の反発の予想となっていますが予想に反し今週も強い結果となると来週に控える雇用統計への期待も強まりドル支援材料となると考えられます。

また、ウクライナ情勢での緊迫感が強まっていることには注意が必要です。緊迫がさらに強まると米国債利回りの押し下げ要因となり、ドル円、クロス円などの上値が重くなると考えられます。

【本日の予定】

08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
12:45 日2年国債入札(2兆7000億円)
15:45 仏4月企業景況感
17:00 独4月Ifo景況感指数
17:30 クノット・オランダ中銀総裁講演
18:00 ドラギECB総裁講演
19:00 英4月CBI流通取引調査
21:30 米3月耐久財受注
21:30 米新規失業保険申請件数
翌1:15 コンスタンシオECB副総裁講演
翌2:00 米7年債入札(290億ドル)
翌3:00 オリバー加財務相講演
翌3:45 ポロズBOC総裁講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト