「企業の物価見通し」は日銀に影響を与えるのか?

【著者】

外国為替市場情報|2014/04/02

追加緩和の期待を高める?

今日、日銀が昨日発表された短観で新たに設けられた「企業の物価見通し」を発表しました。

この調査は、これまでのDIに加えて短観の調査対象企業に1年後、3年後、5年後の各企業の製品やサービスの販売価格と、物価全般についての予想を調査したものです。

1年後の物価全般の見通しを見ると、+1%程度が29%を占め1番多くなっています。次に+2%程度が19%、0%程度が17%となっています。3年後も一番多いのは+1%程度ですが22%に減っていて、2%程度は20%に増えて、0%程度は11%と減っています。5年後は、+2%程度と+1%程度がほぼ同じ16%となっていますが、+2%がわずかに上回っているようです。しかし依然として0%も12%を占めているほか、イメージなしが40%にもなっていて不透明感が高い結果です。

規模別にみると、大企業は製造業、非製造業ともに5年後まで見ても+1%程度が一番多いのですが、中小企業は、製造業、非製造業ともに3年後、5年後は+2%程度が一番多くなっています。

日銀は、「量的・質的金融緩和」によって、2年を目途に2%の物価上昇率を達成する、と昨年4月に発表しています。したがって、現時点では1年後が達成目標なのですが、今回の調査では1年後の物価上昇率2%程度を見込んでいるのは上でご紹介したように19%にとどまり、平均では1.5%となっています。

この調査は初めてのものですので、今後どの程度日銀の政策決定に影響を与えるのかはわかりませんが、期待を醸成する、という黒田日銀の手法を考慮すると、企業の物価見通しをさらに押し上げるために、追加緩和を実施するのではないか、という期待が出てきてもおかしくありません。

そういった期待が特に海外勢に広がれば、日本株買い、円売り、というサイクルが戻ってくることになるので、105円半ば、そして107円といった水準も現実的なものになってくると考えられます。

高野やすのり|FXプライムbyGMO

プライスはすべてを織込む!チャートで世界を見通せ 高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト