2014年は日本の年金が日本株投資の主役

東京証券取引所と大阪取引所による2014年の投資主体別売買動向では、これまで日本株の最大の買い手であった海外投資家の買い越し額が大幅に縮小し、代わって信託銀行が最大の買い手となった。信託銀行の買いは年金投資を反映していると見られることから、GPIFなど日本の年金が日本株投資の主役になったことを示している。

投資主体別売買動向(現物・先物合計)

            2012年     2013年     2014年
個人      -1兆8775億円、-8兆4291億円、-3兆6337億円
投資信託       -588億円、  +7266億円、  -3484億円
生保・損保     -7787億円、-1兆3544億円、  -4412億円
都銀・地銀等    -2119億円、   -895億円、  -1271億円
信託銀行    -1兆1272億円、-3兆5635億円、+2兆6708億円
その他金融機関    -603億円、  -4671億円、   +84億円
事業法人      +3867億円、  +6557億円、+1兆1099億円
その他法人     +4144億円、   -300億円、  -1111億円
海外投資家   +4兆6080億円、+15兆6700億円、  +6967億円

2014年は個人だけでなく、投信も売り越しとなっているので、株高やアベノミクス、あるいはNISAの導入をもってしても、個人投資家による日本株回帰とはならなかったようだ。

海外投資家は2013年には債券から株式への大移動に加え、アベノミクスへの期待感から大量に日本株を買ったが、2014年は債券価格の反発、アベノミクス第3の矢への失望感から、伸び悩んだ。

2015年は米国で利上げが始まる見通しなので、債券から株式への大移動が再開する可能性が高い。海外投資家の買い越し額が急増するものと思われる。また、まだ予定額を買っていない年金は引き続き買い越し額を増加させる見込みだ。

一方、売り越しが続いている生損保は、日銀の国債購入の、相対の売り手として国債残高を減らす可能性がある。そうなると、特にかんぽ生命などは日本株投資に積極的になると考えられる。私などは、まだ株価がそれほど高くないうちに、個人投資家にも買い越しに転じて貰いたいと願っているのだが、様々な事情や考え方があるので、致し方ないのだろう。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。