QE終了に疑問符か?

昨晩の概況

昨日はアジア、欧州時間は前日からのリスク回避の流れが継続となったものの、米国時間に発表された新規失業保険申請件数、鉱工業生産、フィラデルフィア連銀製造業景況指数が総じて市場予想よりも強い結果となったことから過度なリスク回避に対する巻き戻しの動きが強まりました。
欧州時間に強まった円買いは反転しドル円クロス円は長い下ヒゲを残す動きとなっています。円売り、ドル売りの流れとなりユーロドルも1.28台を維持、ポンドドルも1.61に迫る推移となっています。

米国株式市場はマイナス圏からのスタートとなりましたが、少しづつ穴を埋め、横ばい状態まで回復する動きとなり、米国債利回りも一応の下げ止まりとなりました。上値の重い推移が続いていた原油価格も小反発をみせ、資源国通貨の下落も小休止となっています。
今後、少し警戒が必要なのは昨日のセントルイス連銀のブラード総裁からの「QE終了先延ばしを検討すべき」と10月のQE終了に疑問を投げかけるようなコメントが出てきたということです。同氏は2014年の投票権こそないものの、他のメンバーからもQE終了に関して否定的なコメントが出てくるようだと、市場では当然と思われている10月会合でのQE終了が「もしかして、行われない可能性もあるのでは?」と不安になり、ドルに打撃を与える可能性もありうると考えられ今後もFRB要人のコメントには注意したいところです。

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【主要通貨ペアの推移】

ドル円は欧州時間に下値を探る動きとなったものの105.50付近をサポートに底堅さをみせ、アジア時間の高値である106.3付近を上抜ける動きとなりましたが、106.50をレジスタンスに失速となっています。日足チャートでは2日連続長めの下ヒゲを残し、昨日は陽線となっていることから、本日もジワリと上昇してくる期待も持てると思われます。まずはオセアニア時間にレジスタンスとなった106.50を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。

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ユーロドルは欧州時間に下値を探る動きが活発化したものの、1.27台は守り切り反発に転じ1.28台を回復となっています。方向感は薄い状態でありますが、NY午後は狭いレンジ内での推移となっていることから本日はまず、NY午後のサポートである1.279を守れるかどうか、昨日レジスタンスとなっている1.285を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。依然として市場のポジションは売りに傾いていることから、1.285を上抜ける動きとなったときのショートスクイーズには警戒したいところです。

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ユーロ円は欧州時間に135.00を割り込み134.20を割り込むところまで急落となった後はV字反発となり、136円台まで上値を伸ばす動きとなりました。長い下ヒゲを残しての陽線となっていることから本日も上昇期待が強い形となっています。まずは136円台を守れるかどうか、昨日のNY午後のサポートである135.80をしっかりと守れるかどうか、上方向は時間足チャートでサポートからレジスタンスに転じている重要なラインである136.55付近を突破できるかどうかに注目したいところです。

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昨日のポンドドルは欧州時間に下値を探り1.595を割り込むところまで押し込まれた後は堅調推移となり1.611付近まで上値を伸ばす動きとなりました。本日はまず10月10日から上値を抑えている1.613付近をしっかりと上抜けることができるかどうかに注目したいところです。時間足チャートなどでは逆ヘッド&ショルダー類似の形となっていることから、上抜けると1.62トライへの期待感が高まると考えられます。

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豪ドルは引き続き方向感のない動きが続いています。本日はまず昨日のレジスタンスとなっている0.879付近を上抜けることができるかどうか、下はオセアニア時間のサポートである0.835を守れるかどうかに注目したいところです。方向感の薄い状態がつづいていることから、短期トレードでは深追いしにくい状態が続くかもしれません。

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【本日の注目材料】

本日は米国では住宅関連の経済指標、ミシガン大消費者信頼感指数の発表が予定されています。いずれも注目度は高めではありますが、ミシガン大消費者信頼感指数が弱い結果となると先日の小売売上と併せて米国の消費に関する不安を刺激する可能性があるため注意したいところです。

本日は経済指標以外にイエレン議長の講演をはじめ、要人のコメント機会が多く予定されています。昨日のブラード総裁に続き10月のQE終了に疑問を投げかけるようなコメントが出てくると市場に衝撃が走る可能性には注意したいところです。また、欧州時間のユーロ圏の要人のコメントもユーロに短期的に大きな衝撃を与える可能性があるため警戒が必要です。
また、昨日下げ渋りをみせた株価、米国債利回りにも引き続き注目したいところです。嵐が去ったと思ったときに再度荒れるようだと週末ということもあり、市場の不安感が増しリスク回避色が強まり再度、神経質な相場となる可能性も考えられます。

【本日の予定】

10/17(金)
08:50 日 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
15:35 黒田日銀総裁コメント機会
15:45 クーレECB理事講演
15:45 ホールデンBOE金融安定化担当執行役員講演
16:00 シェリング・オーストリア財務相講演
16:30 クーレECB理事会見
16:45 コンスタンシオECB副総裁講演
17:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演
18:00 ユーロ圏8月建設支出
19:00 欧州連合EU)統計局、新算出基準によるGDP見通し公表
20:15 モルガン・スタンレー決算発表
21:30 イエレンFRB議長講演
21:30 米9月住宅着工件数住宅建設許可件数
21:30 加9月消費者物価指数
22:55 米10月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

10/18(土)
ビスコ伊中銀総裁講演
21:30 ローゼングレン米ボストン連銀総裁(投票権なし)講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト