世界経済を取り巻く環境は・・・「前門のギリシャ、後門の中国」!

パニック的な動きは当局の“兵力の逐次投入”が原因?

市場の関心がギリシャとトロイカ(EUECBIMF)との今後の“タフ・ネゴシエーション”に気を取られていた矢先、突如眠れる獅子が起きて暴れ出したような感のある中国・上海株式市場の急落劇

週末に、中国の証券会社21社が株価の下支えをするために2.4兆円の投入を発表したのを皮切りに、昨日8日中国証券監督管理委員会(証監会)が企業の大株主や経営幹部、役員を対象に持ち株の売却を6ヵ月禁止するとの措置を矢継ぎ早に発表。

そもそも中国の株式市場の特徴は個人投資家の割合が圧倒的に多く(8割以上)、しかも不動産市場からの“逃避”層もあり、必ずしも金融リテラシーが高いとは言えない投資家も多く、「(今の相場が)上がっているからまだ上がるだろう」との“相場観(勘?)”を基にギャンブル感覚で参加している向きが多いのも事実。つい先日は、中国証監会が持ち家を信用取引の担保にすることを認めるという新たな“規制”を発表し、社会通念上目や耳を疑うようななりふり構わぬ対策を実施する中国株式市場。

まさに“爆買い”の後の“爆売り”が起こっている状況下、これをかつてのリーマンショックと重ね合わせる報道もありますが、そもそもリーマンショックは米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻し、その後国内の金融システム全体が機能不全に陥り、世界的なメルトダウンを防ぐために米政府が市場介入したという点からして比較対象にならないのは自明で、今回の一連の動きとは一線を画すべき。(そもそも30%の暴落に驚く前に、その前に150%暴騰しているという事実も踏まえるべきでは・・・。)

現状、遅れてパーティーに参加した人たちがふるい落されているような状況となっていますが、個人投資家のパニック的な売りは、当局の狼狽的とも映る矢継ぎ早の対策がかえって「兵力の逐次投入」を連想させ、さらに焦燥感恐怖感を助長していると言えなくもありません。

日本のバブル経済の生成過程やその消滅事由をつぶさに研究していると言われている中国ですが、共産党への批判の高まりや社会の動揺を是が非でも防ぎたい習政権は、先週施行された「国家安全法」を前面に打ち出し防戦に努めてくるのは必至。しばらくは中国当局の力技の成り行きを眺めておとなしくしているのが得策かも知れません。

中国経済への依存度が高い豪州経済への懸念から豪ドルが売られている状況下、当面は中国経済や株価との相関性が高いオセアニア通貨は下値を試す展開が予想されます。
現在の世界経済は、「前門のギリシャ、後門の中国」といった様相ですが、まさにこのような状況下は相対的安全通貨と言える米ドルを買い持ちしておくのが賢い選択と言えるのではないでしょうか?

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津田 隆光|マネースクエア 市場調査部 チーフアナリスト

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」ではコメンテーターを務める。