Q&A:金利と為替との関係は?

【著者】

:先生は、現役時代、債券(金利)と為替との関係をどのように分析、判断されてトレードにいかされてましたか? 是非、現役時代のアイデアを教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

ドル円の長期トレンドは日本の貿易収支に大きな影響を受けます。
黒字は輸出総額が輸入総額を上回ったという意味で、日本や企業の「儲け」とは無関係です。黒字だと実需の円買いが勝り、円高トレンドにつながる傾向があります。そうなると、輸出企業の収益は減少します。

金利と債券の利回りは、短中期のトレンドに影響します。いわゆる、日米金利差が広がるとドル円の上昇につながる傾向があります。これは外債投資などが増えるだけでなく、(円調達⇒円売り⇒ドル買い⇒ドル建ての債券、株式、商品などでの運用)キャリートレードも増えるからです。投機筋のポジションの保有期間は短いのですが、金利差がそれなりにあれば、多くの参加者が入れ替わり立ち代りで、全体として中期保有につながるからです。

また、ブレグジットの後でも見られたように、米ドルの短期の調達金利が急上昇することがあります。日本の銀行などは、米ドルを短期金利で調達し、長期金利で運用していることが多いので、短期金利が上昇すると逆ザヤとなります。その場合にはドルを借りる代わりに、リスクを取ってドルを買うことがあります。そうするとドル円はこういった実需で上昇します。

今回は、日銀がドルを大量に供給したために、ドル円の上昇は一時的かつ限定的でした。日銀が円安を望んでいないのか、単なる無知なのか、理解に苦しむオペレーションでした。

これらのことをチャートで見れば、週足、日足などでの確認となります。

私自身のトレードは、基本的には中期トレンドに沿ったもので、上昇トレンドの時は、買いのタイミングを見定め、買いから入って、売りで手仕舞いです。その逆も行う方が効率的なのは知っていますが、器用に立ち回ることができない性質なので、同じことを愚直に繰り返してきました。

これは今も同じで、昔はチャートに頼らず、今はチャートは見てもテクニカル指標には頼らずですが、金利差などが示すトレンドに沿った方向が基本です。

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矢口 新

独自テクニカルで『相場のタイミングを捉える』 矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。