雇用統計を受けて

【著者】

外国為替市場情報|2014/04/07

金曜日に発表された米国3月雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想の20.0万人増に対して19.2万人増にとどまり、失業率は市場予想の6.6%に対し前回からの横ばいとなり6.7%に留まりました。しかし、2月、1月の非農業部門雇用者数変化は上方修正、労働参加率の上昇などネガティブな内容とも言い切れない結果となりました。
市場の反応は発表直後はドル売りで反応、その後は反発するものの失速、再びドル売りが強まる展開となりました。ドル売りを牽引したのは発表前まで良好な結果を恐れて売りが進んでいた米国債市場の買戻しにより米国債利回りが大きく低下したことが大きく影響していたと考えられます。失業率がFEDのフォワードガイダンスから外れたものの、失業率が低下しなかったことや非農業部門雇用者数変化が修正された前回よりも少なかったことなどが意識されたのかもしれません。また、高値警戒感の出始めていた株式市場も下落を強める展開となりリスク回避色の強い相場になりました。
為替相場では、対円、対資源国、新興国通貨でドルは大きく下落となりましたが、前日のECB理事会に続き、ECBが量的緩和に関して積極的な議論を進めている報道などが重しとなり、ユーロは対ドルで大きく売り込まれるには至りませんでした。

0407ny

【主要通貨の動き】
ドル円は雇用統計発表後104.6を割り込んだ後、104.12近辺まで浮上、その後は米国債利回りの下落、株価の下落に足を引っ張られ下値を切り下げる展開となりました。本日も日経平均の下落を受け下値を切り下げる展開がとなっています。
本日はまず3月末にレジスタンスとして活躍した103.00を守りきることが出来るかどうかに注目が集まります。また、そこまで悪いともいえない雇用統計に対しての米国債利回りの下落にはやや過熱感があることから多少の反発も期待できると思われます。とはいっても、雇用統計後の下落で逃げ遅れた参加者も多数いると考えられることから、103円後半までくると上値が重たくなる可能性は残ります。104.1近辺では2回上値を抑えられていることから、当面はこのラインがレジスタンスラインとして意識されそうです。

0407usdjpy

ユーロドルは冴えない動きが続きました。ECB理事会後の上値の重さが引き続き残る状態が続き、雇用統計後に上下動したものの、終わってみれば1.37近辺に押し込まれている状況となっています。ECBの量的緩和に関する具体的な議論に関する報道が目立ってきていることから上値が圧迫されているようで、本日もドイツ連銀総裁をはじめとする要人のコメント機会が多数予定されていることから神経質な展開が続きそうです。
テクニカル面では一旦下げ止まりを見せているようにも思えますが、引き続き警戒が必要な位置での推移となっています。2月27日の安値である1.3643近辺を割り込むと1.35近辺を目指した下落圧力が強まる可能性が浮上します。

0407eurusd

ユーロ円も雇用統計後に下落幅を広げる展開となっています。現在もみ合っている141円台中盤は3月に幾度と揉み合いを演じた水準となるため、また、この水準での方向感のない推移が続く可能性が高まっています。まずは3月29日の安値である141円台を守れるかどうかに注目したいところです。143.50近辺で3月、4月と上値を抑えられていることから、今後はこのラインが上値の目安となりそうです(抜けたところにはストップ買いが溜まる可能性あり)。

0407eurjpy

ポンドドルは依然として持合いの中で方向感なしの動きが続いています。雇用統計後の動きも限定的で方向感を見出すには至りませんでした。
本日以降は雇用統計後、前日のNY時間からのレジスタンスとなっている1.6607近辺を上抜けるか、雇用統計後の安値である1.655近辺を割り込むかどうかにまずは注目したいところです。抜けた方に収縮した圧力が放出される可能性が高まっているように感じられます。

0407gbpusd

豪ドルは雇用統計後に上昇幅を強めていますが0.93では上値が重くなる推移となり、0.93を割り込んでの推移となっています。再度の0.93トライを狙うような推移となっていますが豪ドル高牽制発言などへの警戒は続き、神経質な展開は続きそうな気配もします。突破口となりそうなのは10日の豪3月雇用統計、中国の貿易収支と考えられ、経済指標の結果に右往左往するかもしれません。
まずは3月終盤からのサポートである0.92を守りきることが出来るかどうか、上値の重い0.93をしっかりと上抜けることができるかどうかに注目したいところです。

0407audusd

【本日の注目材料】
本日は目立った経済指標はないもののユーロ圏の要人コメント機会が多く予想されています。市場の注目がECBの量的緩和に集まっていることから量的緩和に積極的なコメントが出てくるとユーロ売りの材料となると考えられます。また、弱いとも言えない雇用統計に対して大きく下落した米国債利回りが反発を見せるかどうかにも注目したいところです。雇用統計を終え、地球を1周し落ち着きを取り戻した状況での各通貨がどの水準で推移しているかをしっかりと確認したいと思われます。

【本日の予定】
中国市場休場(清明節)
15:00 独2月鉱工業生産
17:00 伊2013年財政赤字
18:30 ノボトニー・オーストリー中銀総裁講演
18:40 メルシュECB理事講演
19:30 ワイトマン独連銀総裁講演
22:00 コンスタンシオECB副総裁コメント
翌0:45 ブラード米セントルイス連銀総裁(投票権なし)講演
翌4:00 米2月消費者信用残高

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト