S&P500株指数が終値で2000ドルを突破

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外国為替マーケット情報|2014/08/27

S&P500株指数が終値で2000ドルを突破した。これまで基本的に弱気だった米メディアにも、強気派が増えてきた。一方で、景気回復、利上げが取り沙汰されていながら、米国債市場も堅調だ。

通常、株式と債券はトレードオフの関係にある。景気上昇、インフレで株価が上昇する一方で、景気後退、デフレで債券価格が上昇するのだ。過去5年間に見られるように、どちらも上昇するのは、カネ余りだからだ。運用資金が豊富なので、売られたところには常に買い手が現れることになる。売っても崩れないと、また買われる。

とはいえ、政策金利に連動する短期金利が上げ始めると、0.49%の2年国債や、1.65%の5年国債、2.39%の10年国債など持っていられない。30年国債の利回りでも3.15%しかない。前回の米利上げ局面では、政策金利(銀行間翌日物金利)が2004年5月の1.0%から、2年1カ月後の2006年6月には5.25%にまで上昇した。

債券の最大投資家である銀行などは、短期金利が上げ始めると、逆ザヤで中長期の運用をすることができなくなる。利上げが始まると、米国債は売られることになるのだ。いくらカネ余りでも、損してまでも持つことはない。銀行は短期金利で運用できるのだ。

短期金利が長期金利を上回ることもあるが、その場合は、デフレや景気後退などで、将来の金利低下を見越して、長期債が買われる場合だ。また、ある程度の利回りがあれば、年金や保険会社などは、短期金利がより高くても、長期債を保有する。自己の調達金利が低いからだ。もっとも、日本の場合では調達金利をあいまいにすることで、超低利でも持つ場合がある。

米国金利の現状のレベル。モーゲージ債やジャンク債までも買い漁った後の利上げでは、債券市場の値崩れが起きると見るのが、自然だ。その結果、カネ余りがまだ続いているところに、債券市場から大量のキャッシュが溢れだすことになる。

カネ余り、景気回復、利上げ初期、債券市場から大量のキャッシュ、株価は最後のバブル的な上昇相場で締め括るというのが、過去数年間ずっと言い続けている私の個人的な見方だ。

米金利が上昇し、日米金利差が拡大すると、中期的なドル高円安トレンドとなる可能性が高い。それも時間の問題かと思う。

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矢口 新

独自テクニカルで『相場のタイミングを捉える』 矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。