ドル買い戻し続く

【著者】

昨日からの流れ

昨日は麻生財務相の「急激な変動には介入の用意がある」とのコメントが材料視され、円売りが進みました。円以外の通貨に対しても、米国時間に発表された労働市場情勢指数が前月から改善となったことでドル買いが緩やかに進む動きとなっています。
また、先週利下げにより、弱い推移となっていた豪ドルや原油価格の上値が重い動きとなったことでカナダドルなど資源国通貨が軟調な推移となりました。

主要通貨ペアの推移(2016/5/10)

USDJPY

ドル円(USD/JPY)は底堅い推移となり、先週からのレジスタンスとなっていた107.50を上抜け、ストップ買いを絡め、108円台中盤まで上昇する動きとなりました。日足チャートを見ると緩やかな下降トレンドの中で反発の動きが強まっている状態で、トレンドラインに接近する110円付近までは反発余地がありそうにも見受けられます。RSIを見るとダイバージェンス状態となっており、反発への期待を後押ししています。

ドル円

EURUSD

ユーロドル(EUR/USD)は上値の重い推移が続き、1.14を割り込む推移となっています。
現在の1.13台の水準は3月末から4月序盤に揉み合いを続けた難所であることを考えると、この付近で動きが鈍くなることも想定され、方向感の読みにくうごきとなる可能性があり、注意が必要です。また3月序盤からの安値を結んだトレンドラインが接近しており、割り込むような動きとなると下値を探る動きが強まる可能性があるため、接近してきた際には注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円(EUR/JPY)はレンジ推移が続くなか、レンジの上限を試す動きとなっています。レンジの上限となっていた123.55付近を終値ベースでしっかりと上抜けるような動きとなると、小さなダブルボトムを形成するような動きとなり、さらに上昇が勢い付く可能性があるため、注意したい水準です。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは1.44を割り込んだところでは底堅く、1.44台に戻す動きとなっています。まだ安心が出来る状態ではありませんが、下落に一服感が出てきたようにも見えるため、本日は昨日のサポートとなった1.4374付近をしっかりと守れるかどうかに注目したいところです。
4月の反発で多少売りポジションが吐き出されているものの、依然として市場には売りポジションが多いことが想定され、下げ止まり、反発に転じる可能性は十分にあると考えられます。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは上値の重い推移が続き、0.73割れを試すような動きとなっています。日足チャートを見ると0.726付近が2月にレジスタンスとして活躍した水準ということもあり、現在の水準からその付近までがサポート候補となり、下落を一度は食い止めそうな気配がしていますが、あっさりと割り込んでしまうようであれば、さらに下落に勢いがつく可能性もあるため、割り込んできた際は注意が必要です。

豪ドル

本日の注目材料

本日はアジア時間に中国の消費者物価指数、欧州時間にドイツの鉱工業生産などの発表、米国時間に卸売在庫等の発表が予定されていますが、相場への影響は余程のサプライズとならない限り、限定的になると考えられます。日米欧の金融政策の発表や米国雇用統計などを消化し、目先の材料に乏しい状態が続き、はっきりとしたカタリスト不在の状況となるため、株式市場や債券市場、商品市場などの動向を見ながら、ドルの強弱を探る相場となりそうです。

先週から各通貨に対し、ドルの買い戻しが続いていますが、それが続くかどうかを各主要通貨を中心に見ていきたいところです。また、円に関しては口先介入の売りが持続するかどうかにも注目です。すぐに失速してしまうようであれば、市場全体で「やはり口先介入では止められない」との意識が強まる可能性が挙げられます。

本日の予定

10:30 中国4月消費者物価指数・生産者物価指数
12:45 日10年国債入札(2兆4000億円)
15:00 独3月鉱工業生産 
16:15 ダドリーNY連銀総裁(投票権あり)講演
17:30 英3月貿易収支 
23:00 米3月卸売在庫・卸売売上高 
翌2:00 米3年債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト