スコットランド独立懸念でポンド売り

【著者】

可能性は低いのもも

ポンドが売られています。

9月18日にスコットランドでスコットランドのイギリスからの独立の是非を問う住民投票が実施される予定ですが、このところ世論調査で急激に賛成派が増えているとの結果が出ていることが原因です。

ポンドドルは、6月12日にカーニーBOE総裁が「利上げは市場が現在予想している時期より早いかもしれない」と述べたことから早期利上げ期待で買いが優勢となって7月半ばにかけて1.71台後半まで上昇しました。

しかしその後ウクライナ・ロシア情勢やイラク情勢などの地政学的リスクの高まりと、英経済指標の悪化、そしてカーニーBOE総裁が今度は「「われわれは利上げ前に、実質賃金が大幅に上昇するという確信を得る必要がある」などと述べたことから早期利上げ期待が遠のいて1.65台まで反落しました。

この間スコットランドの独立に関しては、8月初旬の世論調査では反対61%賛成39%となるなどしていたことから、ほとんど可能性のないリスクとしてしか意識されていませんでした。

ところが8月末の世論調査で独立反対と賛成の差が6ポイントに急縮小したことからポンド売りが強まって先週末までに1.63台にまで下げ幅を拡大しました。そしてこの9月6日に発表された最新の世論調査で51%対49%と僅差ながら初めて独立賛成が反対を上回ったことから、スコットランドの分離独立の可能性が強く意識され年初来安値を割り込んで一気に1.61台まで下落しています。

こういった大きな変化を伴う住民投票などでは、世論調査に対しては変化をおこす回答をしても、実際の投票では現状維持を選ぶ傾向があることから、実際に独立が多数を占める可能性が依然として低いと考えられますが、可能性が高まったことから、大きなリスクとしてポンド売りが続くと予想できます。

またこの世論調査結果をうけて英政府がスコットランドに対して、独立しなければより広範な自治権を認める、という提案をすると提案していますので、独立賛成派も分離独立という大きなリスクを伴う決断を躊躇する可能性が高いと考えられます。

しかし、事態の推移が予想しずらい事から、投票結果がわかるまでは新規のポンド買いはしにくいと考えられ、そのため当面はポンドの下落が続くのではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

プライスはすべてを織込む!チャートで世界を見通せ 高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト