FXコラム

自己管理がプロへの道

【著者】

FXコラム|2014/07/15

私はどんなものでも、プロになるには「自己管理」が決め手だと考えている。投資家ならば、プロでなくても、自己管理によって自立した投資家になることができる。自分でプランを立て、自分で判断し、自分で行動するのだ。

自己管理に関して、ブルームバーグの日本語版で興味深い記事を目にした。

参照:ウォール街の発見、バンカーを過剰に働かせるこつは自己管理制
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N8JZ3G6K50YA01.html

(以下に全文引用)
ウォール街の投資銀行は従業員をより長く、より懸命に働かせるこつを発見した。それは、働く時間と休む時間を自由に決めさせることだった。

働く時間について自由裁量を与えられた高学歴の労働者は、誰よりも長く働いているところを見せようとするため、勤務時間が決められた場合よりも懸命に働くことになる。ペンシルベニア大学のアレクサンドラ・ミシェル教授が大手投資銀行2社の若手幹部の働き方を12年間研究して発見した。バンカーやソフトウエアエンジニア、弁護士ら知識労働者は特に差し迫った仕事がない時でも、週に100時間以上働くことが多いと同教授は指摘する。

たくさん働くことを強制されていると感じると、従業員は逆にあまり働かないでおこうという気持ちになる。逆に働くペースを自分で決める自由が与えられると、若手バンカーらは長時間働くばかりでなく休暇もあまり取らず、個人生活を犠牲にするようになるという。ミシェル教授がザ・ソシオロジカル・クオータリー夏季号に研究論文を掲載した。「誰かが真夜中より前に帰ると、『今日は半休かい』という声が掛かる」と、同教授は研究に協力したある従業員の言葉を引用している。

バンカーの中には1日に何回か少しずつ眠る習慣を身につける者もいるという。これは起きていられる時間を最大化するためだ。長時間労働と睡眠不足が投資銀行業界の早期の燃え尽き症候群につながる。同業界で持ちこたえられる期間は平均7-9年で、この世界を35歳までに去るのが典型だという。ミシェル教授も職業人生を米ゴールドマン・サックス・グループでスタートした。

同教授によると「4年目くらいから、バンカーらは心身を衰弱させるような肉体的、精神的な限界を体験し始める」。慢性疲労や不眠症、腰痛やその他の痛み、自己免疫疾患、不整脈、依存症、摂食障害を患う人が多いことが分かったほか、無茶な働き方は判断力や創造性、倫理観も損なうという。

最終的にバンカーの仕事をやめ、他の業界で仕事と個人生活の調和を目指すようになっても、非人間的なスケジュールを捨てることができないようだという。そして新しい同僚たちに嫌がられることになる。

投資銀行の労働慣行は時に、「人を過剰に働かせるという意図せざる結果をもたらすことがある」とミシェル教授は結論付けている。
(引用ここまで)

私もウォール街に勤めていたが、上記の記事は納得がいく。「過剰に働かせるこつ」と言ってしまえばそれまでだが、「お前はプロだ」と言われ、実際に結果が残せなければ解雇という環境では、労働時間を自分で決めるようになる。王や長嶋も、寝る間も惜しんで素振りをしたという。

とはいえ、自己管理にも落とし穴がある。過剰労働は自分で率先して行っていると思いがちだが、多くの場合には「他人の目」を意識して行っている。働いている振りとまでは言えないまでも、成果よりも働いていることが目的化し、長く働く自分に「自己陶酔」しているのだ。

自己管理には、しっかりとした目的が必要だ。結果のためには「他人の目」を意識する必要はない。怠けているように見えたっていいのだ。また、目的があれば、自己満足には至らない。昨日も触れたが、一流になるためには、メッシの働き方は、(大勝負には負けたものの)大いに参考になるかと思う。

メッシの働き方
https://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/way-of-working-messi/
みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
最新記事:2014/7/14 「NISAとETF」
http:/money.minkabu.jp/45617

[GMO]

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。