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弱いGDPでドル売り強まる

【著者】

昨日は米国GDP、FOMCを控えジリジリドル売りが強まり、GDPがネガティブサプライズとなったことを受けてさらにドル売りが強まる展開となりました。その後に発表されたFOMCの声明文では一時的な要因による経済の下押しに関しての言及はあったものの、ドル高を懸念する文言はなく、物価に関しても楽観的に捉えていることが確認されました。

現状ではFOMCでは「一時的な要因」と捉えているようで、これまで通り今後の経済指標の動向を見ながらという姿勢に変更は無さそうですが、6月利上げ開始観測は大きく後退し、9月利上げ開始も今後の経済指標次第では怪しいのではと考えられます。今後はこの疑念が強まるようなデータが続くようであれば、まだまだドルの下げ余地が残っており、ドルの下落が続くと考えられます。

米国10年債利回り

【主要通貨ペアの推移】

ドル円はドル売りが強まるなかでも底の堅さをみせ、118.60付近をサポートに下げ渋る動きとなり、日足チャートでは方向感の薄い状態が続いています。118.30120.00のレンジを抜けるまでは方向感の薄い状態は続くと考えられ、鈍い動きがまだしばらく続くかもしれません。

ドル円

ユーロドルはジリジリ値を上げた後は米国GDPが弱い結果となったことから、上昇圧力がさらに強まり、3月からのレジスタンスである1.105を突破し、ストップ買いを絡め1.11中盤まで上値を伸ばす動きとなりました。GDP、FOMCと今週のメインイベントを通過したことから、一旦の材料出尽くし感は出てきているものの、逃げ遅れた売りポジション保有者も多く残っていることが想定されるため、下がったところでは買いが入りやすい状況と考えられ、下がったところでは下げ渋る動きは続くと予想されます。まずはレジスタンスであった1.105をしっかりと守ることができるかどうかに注目したいところです。

ユーロドル

ユーロ円はドル円の動きが鈍かったこともあり、ユーロドルに近い動きとなりレジスタンスとなっていた131円台中盤を抜け出し132円台へ乗せる動きとなっています。3月からのレジスタンスを抜けてきたことから、昨日、頑張りすぎた分の反動は多少あると思われますが、引き続き底堅い推移となることが予想されます。

ユーロ円

ポンドドルは底堅い推移を続け、とうとう1.54を上抜け、1.55に迫るところまで上値を伸ばす動きとなりました。2月末の高値である1.555付近に接近しており、この水準を突破できるかどうかに今後は注目したいところです。突破できずに下押すような動きとなれば7日連続上昇しているということもあり、調整が進む可能性も十分に考えられるため注意したいところです。

ポンドドル

豪ドルはo.8台回復以降は上値の重さが残っている状況となっています。節目の0.8を超えたことで達成感もあると考えられますが、日足チャートを見るとo.83付近まで伸びしろは残っていると考えられるため、しっかりと0.8台を維持できるのであればもう一段の上昇余地があると考えられます。

豪ドル

【本日の注目材料】

本日はアジア時間に日銀の金融政策決定会合の結果発表が予定されています。追加緩和の可能性は低いと考えられますが、前回の追加緩和の直前まで黒田総裁は追加緩和の素振りを見せていなかったことを考えると「もしかしたらあるのでは」と考える参加者もいるため、変更なしとなるとドル円に失望売りが多少出る可能性が考えられます。逆に、まさかの追加緩和となるとドル円を中心にクロス円が暴騰となる可能性もあるため警戒が必要です。

欧州時間はスペインのGDP、ドイツの雇用統計、ユーロ圏の消費者物価指数の速報値、失業率など粒ぞろいのラインナップとなっています。結果は予想が難しいですが、量的緩和効果でそれほど弱い結果とならないと予想されることから、弱い結果となると多少のインパクトがあるかもしれません。

米国時間は個人所得、個人消費支出、PCEコアデフレーター、シカゴPMIなどに注目が集まります。個人消費に元気が見られないようだと「一時的」な景気減速にさらなる疑念が生じ、ドル売りが強まるというシナリオも十分に考えられます。
ドルストレートの通貨ではテクニカル面で重要な水準を突破してきた通貨が多いこともドル売りがさらに強まることを示唆していることから、警戒が必要です。

【本日の予定】

日銀金融政策決定会合結果公表
07:45 NZ3月住宅建設許可
08:05 英4月GfK消費者信頼感
08:50 日3月鉱工業生産(速報値)
10:30 豪13月期輸入物価指数
14:00 BNPパリバ、13月期決算発表
15:00 日銀展望レポート公表
15:30 黒田日銀総裁記者会見
16:00 スペイン13月期GDP(速報値)
16:55 独4月失業者数・失業率
18:00 ユーロ圏3月失業率
18:00 ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
21:30 タルーロFRB理事講演
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 米3月個人所得・個人消費支出
21:30 米3月コアPCEデフレーター
21:30 米13月期雇用コスト指数
21:30 加2月GDP 
22:45 米4月シカゴ購買部協会景気指数
23:30 ポロズBOC総裁、ウィルキンスBOC副総裁、議会証言

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト