中国の世界輸出のシェア、1968年の米国以来の高水準

中国景気が落ち込んでいると聞きながら、中国人の爆買いに期待している日本とは何かと、考えたことがあるだろうか?

日本のメディアでは、中国の輸出減が大きく報道されている。ところが、輸出減が続いているのは米国、ドイツ、日本なども同じで、世界的に貿易の伸びが鈍っているのだ。

ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数、バルチック海運指数(BDI、1985年=1000)は、2016年1月13日に、1985年の集計開始以来で初めて400を割り込んだ。2010年には4000前後、2014年の初めは2000を大幅に上回っており、2015年の高値は1222だった。それが、今年2月には290まで売り込まれた後に反発、4月には715まで買われた。

そんななかで、国連の貿易開発会議(UNCTAD)のデータによれば、世界の輸出市場における中国のシェアは2015年に13.8%と、14年の12.3%から大幅に拡大し、1968年に米国が記録した水準以来で最大となった。

また、メディアの報道の通り、中国の輸出は減少しているが、輸入はそれ以上に減少し、前年比での貿易黒字拡大は続いている。

様々な情報を総合的に判断すれば、中国景気の減速は疑いないところだと思う。しかし、日本や欧州を含め、それ以上に減速している国や地域の方が多く、中国の経済力は1968年に米国が記録した水準以来で最大となった輸出力が示唆しているように、メディアの報道ほどには弱くないどころか、相対的にはむしろ強まっているのかもしれない。

このことは、日本経済はこれから先も、中国人の爆買いに依存する可能性が高い。日本人にも、消費税が免税になれば、自力で経済成長できるはずなのだが。

【みんかぶマガジン】矢口氏のコラム
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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。