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ポンド失速

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外国為替マーケット情報|2014/05/15

昨日は欧州時間に英国雇用統計が発表され失業率は低下したものの平均賃金が低迷していることが嫌気されポンド売りが進み、さらにBOEのインフレレポートにて景気回復は未だ初期段階であり利下げは急がないとし、また、利上げ前にスラックをもう少し解消させる余地があるとの認識が確認されると早期利上げ観測が後退しポンド売りが加速しました。カーニーBOE総裁の会見では景気回復が持続し利上げに至る時期も近づいたと述べたものの、政策金利の引き上げを来年まで待つ意向が示されました。
ECBの追加緩和観測、今回のBOEの発表、また前日の弱い米国小売売上の影響もあってか、米国債利回りは大きく低下しドル売りが進む展開となりました。米国株式市場も欧州の株安の流れを引き継ぎ下値を探る動きとなり、全体を通してはリスク回避型の動きとなりました。

為替市場では円>ユーロ>ドル>ポンドの構図となり、それまで売り込まれていたユーロは対ポンドで大きく上昇したこともあり、その他の対円以外の主要通貨に対しては下げ止まる動きとなりました。また、米国債利回り低下、株安の影響から、ドル円、クロス円は大きく下落することとなりました。
本日発表された本邦の1-3月期のGDPは市場予想を超える数字となり増税前の駆け込み需要の強さを印象づける内容となりましたが為替市場への影響は限定的なものに留まっています。

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ドル円は欧州序盤に102円を割り込みストップを絡め下値を探る動きとなり、再び保合いの下限を試す動きとなっています。101.50-100.75にかけては今年に入り下値を支えている水準が数多く存在することから、ここからの下値は比較的堅いものとなりそうですが、100.75を割るような動きとなるとバランスが崩れ下落圧力が加速する可能性も考えられるため注意が必要です。

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不沈空母ユーロは対ポンドで大きく巻き戻したこともあり下げ止まりを見せ1.37をなんとか守り抜きました。ひき続き、4月5日の安値である1.3672を守れるかどうかに注目したいところです。
本日はユーロ圏の消費者物価指数の確報値に加えユーロ圏GDPの発表、米国時間にも米国消費者物価指数、NY連銀、フィラデルフィア連銀の製造業サーベイ、さらにはユーロ圏要人のコメント機会など粒ぞろいのラインナップとなっていることから、読みずらい展開が予想され少し様子を見たいところです。短期の市場参加者のポジションが依然ショートに傾いていると予想されることには注意が必要です。

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ユーロ円は長らくサポートとして踏ん張った140.00を割り込んでの推移となりテクニカル的には下方向への圧力が強く意識される状態となりました。第一のターゲットは2月にサポートとなった138円台後半の水準ですが、割り込むと136円前半が意識されると思われます。

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ポンドドルは5月2日のサポートとなった1.682、さらにはもみ合った1.68をしっかりと割り込むところまで売り込まれる推移となっています。次に意識されるのは4月にサポートとなっている1.67近辺の水準となります。ちょうど安値を結んだサポートラインも1.67近辺ということでこのラインをしっかり守れるかどうかが焦点になってくると思われます。依然としてポンド買いのポジションの方が優勢と予想されることから、崩れだすと大きな調整となることも想定されることから、下方向へ動き出したときは注意が必要です。

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豪ドルは弱い欧州通貨、米ドルに押し上げられる状態となり一時0.94台を回復するものの日足の終値ベースでは押し戻され上ヒゲを残しての推移となっており、しっかりと上抜けたとは言えず依然として方向感の無い状態が続いています。

【本日の注目材料】

本日はアジア時間午後に日銀の黒田総裁の講演が予定されており、インフレ見通しや緩和に関して何らかのコメントが出てくると多少インパクトがあるかもしれません。
欧州時間はユーロ圏のGDP、消費者物価指数の確報値の発表が予定されています。GDPはドイツやフランス等、個々の国のものにも反応する可能性があるため発表前後は注意が必要です。消費者物価指数は昨日のドイツのものが速報値とのかい離がほとんどなかったことから大きなサプライズにはならないと予想されますが、速報値からのかい離があるとユーロへのインパクトはそれなりにあると思われます。
米国時間は米国消費者物価指数に加え製造業関連の経済指標が多く発表されます。また明日の早朝にイエレン議長の講演が予定されています。引き続きハト派的スタンスが予想されますが、意外にタカ派なコメントが飛び出すようなことがあると流動性の薄い時間ということもあり、相場へのインパクトは強いかもしれません。

【本日の予定】

08:50 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
08:50 日 1-3月期GDP(1次速報値)
08:50 日 1-3月期GDPデフレーター(1次速報値)
08:50 日 3月第3次産業活動指数
11:00 イングリッシュNZ財務相、予算公表
12:45 日 5年債入札
13:25 黒田日銀総裁講演
14:30 仏 1-3月期GDP(速報値)
15:00 独 1-3月期GDP(速報値)
15:30 ショイブレ独財務相講演
16:00 バルニエ欧州委員講演
16:10 コンスタンシオECB副総裁講演
17:00 5月ECB月報
17:00 伊 1-3月期GDP(速報値)
17:00 メルケル独首相講演
17:50 メルシュECB理事講演
18:00 ユーロ圏 1-3月期GDP(速報値)
18:00 ユーロ圏 4月消費者物価指数(HICP)(確報値)
18:00 ギリシャ 1-3月期GDP(速報値)
21:30 米5月NY連銀製造業景況指数
21:30 米4月消費者物価指数
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 加3月製造業出荷
21:30 ダドリー米NY連銀総裁コメント機会
22:00 米 3月対米証券投資
22:15 米 4月鉱工業生産、設備稼働率
23:00 米5月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米 5月NAHB住宅市場指数
23:00 コスタ・ポルトガル中銀総裁、ホイヤー欧州投資銀行(EIB)総裁、講演
翌1:30 シェンブリBOC副総裁、講演
翌7:10 イエレンFRB議長講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト