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基本スタンスは“戻り売り”

【著者】

「選挙はミズモノ」と言われますが、英国の国民投票結果もその言葉が当てはまるものとなりました。24日ポンド/米ドルはボリンジャーバンドの-7σ近辺(早々お目にかかれるものではありません)まで暴落、ドル/円もリーマンショック時を上回る7.32%の下落となりました。
今週に入って落ち着きを取り戻しているかのような動きになっていますが、本当に24日で底を打ったと言っていいものでしょうか?

個人的には「NO」です。今回、各中央銀行が緊急資金供給に関して協調体制を整えていたことから、金融パニックには陥っていません。
その結果、現在の焦点はEU基本法50条の発動を欧州委員会へいつ通告するのかに向けられています。
ただ英国は今後宙ぶらりんのまま外交・国家運営を強いられることにもなりかねませんので、まだ油断は禁物と考えます。現在の金融市場は不確実性が極めて高い状態に変わりはないということです。

戻り売りスタンス!

今週に入り、ドル/円は102円台後半まで値を戻す動きとなっています。
とは言え、今回のBrexit問題でFRBも年内の利上げどころか、利下げ観測が急浮上してきています。
実際チャートを確認すると、ドル/円の標準偏差ボラティリティは上昇しており、且つ、21日ボリンジャーバンドの-1σの外で推移、つまり、売りトレンドとなっています。何らかの策を打ち出してくるのでは?との期待感から下攻めが出来ていないわけですが、その効果もいつまで維持できるのか分かりません。

そもそも日銀による単独介入はかなりハードルが高いものでしょう。ルー財務長官は27日、「単独介入は市場の安定を脅かしかねず、“無秩序”だからと言うなら、その根拠を必要とする」とコメント。米通貨当局は対主要通貨でのドルの適正水準を計る尺度として企業物価基準の購買力平価を使用しており、現在の日米の購買力平価は1ドル=97円程度。口先介入が関の山ではないでしょうか。

チャートの形状から判断すると、「戻り売り」と言うことになります。その目安と言うと、2014年時に揉み合いが続いていた103円どころと考えます。そこから21日ボリンジャーバンドの-1σ辺りまで上値の重い状況が続くと読んでいます。

<資料>ドル/円(週足)
ドル円

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マネースクウェア・ジャパン 市場調査部 チーフアナリスト|津田隆光様ご寄稿記事
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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!