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GPIF、外貨運用の損失で為替ヘッジを開始か?

【著者】

11月30日発表の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)2015年7~9月期の運用実績は、7兆8899億円の赤字だった。期間収益率はマイナス5.59%となり、14年1~3月期以来、6四半期ぶりのマイナス運用となった。マイナス幅はリーマン・ショック後の08年10~12月期のマイナス6.09%以来の大きさだった。

また、運用資産額は135兆1087億円に減少した。

GPIF

世界的な株安が進んだのに加え、円相場の上昇で海外資産の評価損が出た。10月以降は株式相場の持ち直しで運用収益は改善しているとみられる。また、1日にはGPIFによる初めての為替ヘッジが報道された。

以下が運用資産別の損益率と、損益額:
ポートフォリオ1

ポートフォリオ2

その結果、国内債券での運用構成割合が37.95%から38.95%に上昇、国内株式が23.39%から21.35%に低下、外国債券が13.08%から13.60%に上昇、外国株式が22.32%から21.64%に低下した。短期資産は3.27%から4.46%に上昇した。

資産構成

参照:平成27年度第2四半期運用状況
http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h27_q2.pdf

GPIFの運用資産別目標構成比率は国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%となっている。

目標比率つまり、国内債券の売り余力と、国内株式と外国株式の買い余力が増加、外国債券の買い余力が減少した。

外貨全体の構成比率は35.4%から35.24%に低下し、買い余力がやや増加したものの、ヘッジ開始により、外為市場には新たな円買い要因が発生した。

円安局面では、政府の意向を受けた、円安牽制のヘッジ売り(円買い)も予想される。

株式、外貨は押し目買いが期待されるものの、外貨は戻り売りも出やすくなった。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。