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一気に円高

【著者】

材料が全て円高圧力に

週末に大きな予定が2つありました。

G20の閉幕とカタール・ドーハでの産油国会合です。

土曜日未明に閉幕したG20の声明では、予想通り「通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしない」とのこれまでの文言が踏襲されました。しかし予想外だったのは、麻生財務相が「過度の為替変動に対しては、今回の(G20)共同声明に沿い、適切な行動を取る」「為替市場の動きが急すぎる点についてはルー米財務長官と意見が一致した」と述べたのに対し、ルー米財務長官は「全体でみると確かに円高は進んだが、特に無秩序な動きではない」「日本は通貨の競争的切り下げは回避すべき」と日本を名指しして牽制したことです。

これで日米の思惑の違いが公然の物となって、介入へのハードルが予想以上に高いものである事がはっきりしました。

一方日曜日にカタールのドーハで行われた産油国会合では、一時はロイター通信が「10月まで増産凍結で合意へ~草案」と報じたものの、結局は増産の意向を示しているイランが会合に参加すらしなかった中、サウジアラビアなどがこれまで表明していたとおりに「イランを含む全OPEC加盟国が参加しない合意には同意しない」との姿勢を貫いて、合意はできませんでした。

ここまではほぼ予想通りでしたが、その後のサウジアラビアが即時の日量1150万バレルまでの増産(先月は1020万バレル)と、将来的な1250万バレルまでの増産を発表したことが週明けの原油相場の下落に拍車をかけました。

介入の期待が後退したことによる円高圧力に加え、原油相場の反落でリスク回避の円高圧力が加わりました。

また九州の群発地震が収束を見せない中、トヨタ自動車が国内の大半の工場の操業停止を発表するなど、実体経済に対する影響も先週時点の予想よりも大きくなりそうな事も株安を通じて円高圧力になっています。

一旦は年初来安値(107.60円台)の手前で下げ止まりましたが、今後の原油相場、米長期金利動向次第で、今週中にも106円台までの円高の動きがあっても不思議ではない状況です。

<本記事ご協力>

チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト