NISAなど、長期投資に相応しいETF

日本取引所グループの清田瞭CEOは28日の定例会見で、不正会計問題が起きた東芝について、「特設注意市場銘柄に指定されるのが起こりうるシナリオで、違和感がない」と述べた。

「特設注意市場銘柄」は、売買はこれまで通りにできるが、投資家に注意を促すもの。東京証券取引所には投資家保護の観点から、上場廃止を前提にした措置を取らない規則があり、清田氏は「(上場廃止のおそれがある)監理銘柄入りはありえない」と述べた。東証は内部管理態勢の改善を求め、約9千万円の違約金も請求する見通しだ。

また、東芝がJPX日経400指数の構成銘柄から除外される可能性を示唆した。

短期トレードよりも、長期投資の方がリスクは少ないと考える人がいるが、実は長期投資のリスクは一般に考えられているよりも大きい。

長期ということで、随分以前の例を持ち出すが、長期信用銀行や、日本債券信用銀行、山一証券といった超一流企業が破綻したが、それらは、そのほんの数年前まではピカピカの銘柄だった。同じ頃には、いくつかの生命保険会社も破綻した。

それ以降も、JAL、そごう、エルピーダメモリ、武富士、東食など、業種を問わず破綻した。

また破綻しないまでも、日本を代表していた企業が赤字転落した例も、枚挙に暇がない。東電も破綻こそしていないが、福島第1原発事故に伴う賠償費用だけで約7兆円にも及び、政府の庇護あってのゾンビ企業だと言える。7兆円とは、消費増税による税収増を全部充てても足りない金額だ。電気代の値上げや計画停電を加えると、東電がどれほど日本経済の足を引っ張ったのかの試算を見てみたいくらいだ。

NISAのような長期保有でこそメリットを享受できるような投資では、どの銘柄を選んで良いのかが、実のところ悩ましい。つい先頃までは、東芝なども投資物件の候補から外れることはなかったと思うが、「特設注意市場銘柄」として、投資家に注意を促すものとされた。

ここで興味深いのが、東芝がJPX日経400指数の構成銘柄から除外される可能性が示唆されたことだ。JPX日経400連動のETFを保有していれば、これまでは自動的に東芝もわずかながら保有していたが、今後は東芝に代わって、収益力の高い新銘柄を保有することになる。

私は、NISAのような長期保有には、JPX日経400連動のETFが最も比較優位のある銘柄だと見ている。もっとも、JPX日経400指数には東電も含まれているが、電力セクターは例外だとみなすべきかと思う。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。