マーケット

日米で認識にずれ、産油国会合は合意できず

【著者】

ルー米財務長官日本にくぎ

土曜日未明に閉幕したG20で、日米の為替市場に対する認識の違いが明らかになったことと、ドーハで行われた産油国会合で生産量の凍結の合意ができなかったことから円買いが強まっています。

欧州時間、週末の産油国会合を前に原油相場が下落する中、米長期金利も低下し、全般的なドル売りが優勢となってドル円は109円台を割り込み108.80円付近まで下落し、ユーロドルは1.1280台まで上昇しました。

NY時間にはいって、発表された米・3月鉱工業生産は予想を下回りましたが、この時は為替市場の反応は限定的でした。しかしその後に発表された米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数も予想を下回ると、米長期金利一段と低下し、再びドル売りが強まってドル円(USD/JPY)は108.60円付近まで下落幅を拡大し、ユーロドル(EUR/USD)は1.1310台まで上昇しました。

NY時間午後にはいると、原油相場の下落が一段落したことから各通貨ペアとも小動きとなりました。

土曜日未明にG20が閉幕しましたが、共同声明では「通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしない」とのこれまでのG20の姿勢が確認されました。
麻生財務相は「過度の為替変動に対しては、今回の(G20)共同声明に沿い、適切な行動を取る」「為替市場の動きが急すぎる点についてはルー米財務長官と意見が一致した」と述べましたが、ルー米財務長官は「全体でみると確かに円高は進んだが、特に無秩序な動きではない」「日本は通貨の競争的切り下げは回避すべき」と述べています。

日米で為替相場に対する認識に相違があることが明らかとなったことで、一部であった為替介入への期待感が大きく後退しました。

日曜日にカタールのドーハで行われた産油国会合では、一時は生産高凍結で合意の見通しとの報道もありましたが、増産の意向を示しているイランが参加を見送る中、サウジアラビアなど湾岸諸国が、イランを含む全PPEC加盟国が参加しない合意には同意しないとしたこから合意に至らす、増産凍結は見送られました。さらにサウジアラビアが増産の意思を示したこともあって、金曜日に40.50ドル付近で引けていたWTIが38ドル付近まで急落しています。

週明けのオセアニア市場ではG20や産油国会合を受けて円買いが強まり、東京市場が始まってからは各国株価が下落する中クロス円が一段安となっています。

今日の海外時間には、主要な経済指標の発表はありませんが、ダドリー・米NY連銀総裁とカシュカリ・米ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されています。

<本記事ご協力>

チーフストラテジスト 高野やすのり様
■メッセージ等はこちら
>>高野やすのり様プロフィールページ

高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト