FOMC議事録要旨はタカ派的だったのか

それほどでもない

一昨日公表されたFOMC理事会の議事録要旨ですが、各種報道では「タカ派的」とされて、その為にドルが全面高になっています。

「大半の参加者は、今後入ってくるデータが、第2四半期に経済成長が上向き、労働市場が引き続き力強さを増し、インフレが委員会の目標2%に向けて進展している状況と一致すれば、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを6月に引き上げるのが適切になる可能性が高いと判断した」

この文言が「タカ派的」とされたのですが、どうなのでしょう?

私は特にタカ派的だとは思いません。FOMCは、最大雇用と物価の安定(インフレ率を2%程度に保つ)と言う2つの目標を持っています。従って、経済成長が上向いて、労働市場が好調で、インフレが目標に向けて進展していれば、追加利上げをすることは、6月でなくとも、4月でも、9月でも、いつでも当然の事なのです。問題はそのような状況になるのか、という事であって、特にタカ派的でもハト派的でもない、と考えられます。

その点に関し議事録要旨では

「入手する情報が次回会合時に政策スタンスの調整を適切とする可能性については、参加者はさまざまな見解を示した」

とされ、結局は6月に利上げをするかしないかは今後の指標次第、という当たり前の結論になっています。

また次回FOMC(6月14~15日)の翌週に行われるイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票をリスクのひとつとしてあげていることを考慮すると、微妙な情勢では利上げを先送りする可能性が高いのではないでしょうか。

今晩FOMCのNo.2であるフィッシャー副議長とNo.3のダドリーNY連銀総裁の講演があります。極端に言うと他の委員がどう考えていても、この2人にイエレン議長を加えた執行部がどう考えるか、という事でFOMCの決定が左右されますので、今日の2人がハト派的と取られる発言をすれば、昨日上がった以上に反落してもおかしくありません。

<本記事ご協力>
チーフストラテジスト 高野やすのり様

高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト