消費税率10%で、日本は財政破たんする!

安倍首相は9月4日、2017年4月の消費税率の10%への引き上げについて、「予定通り行う考えだ。リーマンショックのようなことが起これば別だが、今の状況であれば、今年の冬のボーナスも来年の給料も上がっていく」と語った。

また「消費が伸びていくような様々な政策を打っていきたいと思っている」と語った。企業の投資を促す政策を打っていく考えも同時に示した。

私は、安倍首相が増税延期を行ったことで、もしかすると10%への引き上げを覆すのではと、密かに期待していた。しかし、安倍政権が長引くにつれ、他の諸々の政策同様、経済対策も腰砕けとなってきた。これで、ますます日本の政治家や官僚に期待することが徒労だと分かってきた。
やはり、自分の人生は自分にできることで、切り開いていくしかない。

消費増税は日本経済を駄目にする。何故なら、日本経済の最大のエンジンは個人消費だからだ。消費税率を引き上げると、そのパワーが減少し、日本経済全体に大きなネガティブな影響を与える。

例えば、消費税がなければ100兆円の消費が、100兆円の売り上げとなり、企業はそこから利益をねん出する。企業業績が上がれば、給与も株価も上がり、更なる消費パワーを生み出すことになる。経済には相乗効果があるので、所得税収も、法人税収も大幅に増えることが期待できる。消費増税分のケチな税収増なんかではないのだ。

これが消費税率3%だと、100兆円使っても、政府に3兆円天引きされ、97兆円の売り上げとなる。5%だと95兆円に、8%だと92兆円となる。
現状では92兆円に下がった売り上げの中から、給与や利益をねん出しているので、ネガティブな相乗効果となっているのだ。

消費税増税1

消費税率が3%の頃は、個人消費はその馬力の97%で走っていた。そのため、景気拡大期には所得税収、法人税収も大きく伸びていた。消費税率が5%になることにより、馬力は95%に低下、消費税収こそ安定したが、所得税収は景気拡大期でも、引き上げ時のピークを超えることはなく、法人税収も景気拡大期の末期に2期だけ、わずかに上回ったに過ぎない。

消費税増税2

それでも、景気拡大期には企業収益の伸びが見られるが、法人税率の引き下げもあって、税収の伸びは限られている。

消費税増税3

これら財務省の資料から導き出される推論は、税収増には景気拡大が不可欠であること。景気拡大には消費パワーを高めることが重要であること。
その為には、消費減税が適切な政策であること。その分の減収は、所得税収、法人税収で補って余りがあること。などだ。

パワーの源泉を弱体化させる消費税率を引き上げる一方で、消費増の恩恵だともいえる法人税率を引き下げることは、日本経済にとっても、財政にとってもマイナスでしかない。消費税率10%は日本経済に壊滅的な打撃を与える。当然、税収も激減する。
私には、政府や財務省が本気で財政再建を考えているとは思えないのだ。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。